特集【ニンニク】 睡眠・抗疲労市場にアプローチ、新市場形成へ

 滋養強壮や疲労回復素材として広く認知されているニンニク。豊富な食経験に加え、体感の高さからブームに左右されない伝統食材として定着している。機能性研究では、睡眠障害改善、抗疲労をはじめ、動脈硬化に対する抑制効果、歯肉炎・歯周炎に対する作用、ヒト風邪症状に対する作用などが報告されている。21年にはニンニクに含まれるS-アリスシステインの認知度向上を目的としたSAC研究会発足も。食品開発展では最新の機能性研究が報告された。市場ではニンニク成分をより効率的に摂取できるサプリメントや飲料などの加工食品が流通。「機能性」「低臭化」「産地」などによる差別化提案が進んでいる。

 

 食品開発展セミナーでは、「解明進むニンニク成分“S-アリルシステイン(SAC)”の機能性最新報告」が昨年10月に開催された。同志社大学大学院生命医科学研究科教授の市川寛氏は、「抗酸化食品素材としてのSACの可能性」をテーマに講演。同氏は、「癌を含む生活習慣病や認知症、サルコペニアなどは酸化ストレス関連疾患と捉えられており、生体における抗酸化能を高く維持することは疾患予防に必須」と指摘。「SACはニンニクが熟成する過程で生成される抗酸化作用を持つアミノ酸であり、マクロファージや血管内皮からのヒドロキシルラジカル、スーパーオキシドラジカルの産生を抑制することや、濃度依存的に好中球からのROS産生を抑制することが知られている」とした。

 

 備前化成の松永尚之氏は、「SACによる脳の疲労からくる疲労感の軽減効果」をテーマに講演した。同氏は、「酸化ストレスと脳の疲労は関連することから、SACの有する酸化ストレス軽減作用(抗酸化力)は疲労回復の手段となり得ると考えた」と説明。脳疲労に対するSACニンニクの有効性を検証したところ、摂取開始後4週間で精神的負荷による疲労感および集中力の悪化が有意に軽減されたという。桃屋の長田裕子氏は、「機能性表示食品として受理された熟成にんにくエキスの機能性について」と題して講演。疲労感軽減や睡眠の質向上、中途覚醒、熟眠感、起床時の眠気改善などの機能性データを紹介した。ダイセルの卯川裕一氏は、「S-アリルシステインの抗疲労効果」をテーマに講演。、SAC含有食品(1日当たり2mgのSAC)を4週間摂取するヒト試験では、日常の身体作業負荷で生じた疲労感の回復促進を確認したことを報告した。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1761号(2023.4.5)で
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