特集【注目の藻類由来素材】 免疫対策から抗疲労・脳機能サポートまで、“機能性藻類”に注目

 健康食品市場に流通する微細藻類は、ユーグレナ、スピルリナ、オーランチオキトリウム(和名:黄金藻)、ナンノクロロプシス、ドナリエラ、パブロバ、コッコミクサなど、多岐にわたる。スピルリナ、ドナリエラなど、歴史・実績のある素材が安定した市場を築く一方で、テトラセルミス・チュイ、ブルーグリーンアルジー、ラビリンチュラなど、「SDGs」「プラントベース」「植物性プロテイン・DHA」をテーマに、ここ数年で台頭してきた新素材も目立つ。機能性表示食品としては、ユーグレナ(ストレス緩和、睡眠の質改善)、スピルリナ(肌のバリア機能)、ドナリエラ(目のピント調節の向上)、オーランチオキトリウム(記憶を助ける)などが受理されている。

 

 ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の市場規模は100億円を堅持。昨年の大正製薬(大正ユーグレナ)の市場参入をはじめ、今年2月にはコーカスがスキンケアブランド「SuiSavon-首里石鹸-」から初のサプリメントとして、ユーグレナ、八重山クロレラを配合した『しゅりのタネ』を上市し、話題を呼ぶなど、新規参入企業は後を絶たない。スピルリナは、スーパーフードとして、サプリメント・スムージーはもとより、一般食品への配合、レストランやカフェ、ラーメン店など飲食店での採用を通して、消費者の素材認知がより一層高まっている。

 

 スピルリナ抽出物の天然青色色素は、“インスタ映え”をテーマに、スムージーやカクテル、菓子類に応用されるなど、若年層へのアプローチも進んでいる。スピルリナ最大手のDICライフテックでは、米国および中国子会社の屋外培養工場に約12億円の環境投資を実施、SDGSの取り組みをさらに強化している。代表取締役社長の竹見孝弘氏は「海外の大手食品メーカーでは不当労働で作った食品は採用しない機運が高まっている。環境配慮はもとより健全な労働環境のもとで生産されたスピルリナであることを国内市場においても訴求していきたい」としている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1761号(2023.4.5)で
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