特集【ローヤルゼリー】 フェムケア、スポーツ製品が市場牽引

 ローヤルゼリー(RJ)は女王蜂のために、働き蜂が花粉と花蜜を食べた時の下咽頭腺から分泌される機能性素材。乳白色のクリーム状でぴりっとした酸味を有する。栄養成分としては、必須アミノ酸、ビタミン類(B1、B2、B6葉酸など)、ミネラル、コリン、γ-アミノ酪酸等を豊富に含む。RJを食べ続ける女王蜂の寿命は、働きバチの約50倍と言われており、古くから不老長寿の妙薬として重宝されてきた。日本では、1950年代から健康食品原料として利用されてきた歴史を持つ。現在でも美容サプリやエナジー系ドリンク、ゼリーなどに幅広く使用されており、健康食品の定番素材として抜群の知名度とブランドを築き上げている。

 

 RJの市場規模は、2010年の500億円市場をピークに少しずつ下降し、2020年には280億円台まで縮小した。しかし、ここ数年で機能性研究が活発化、さらにコロナ禍で免疫賦活機能が注目されるなど、市場は回復傾向に転じている。財務省の通関統計によると、2022年のRJの輸入量は308t(2021年317t)となり、2年連続で300t台をキープした。通関統計量では、生RJと粉末RJが混在しているが、生RJは粉末の倍近く輸入されていると言われる。海外から生のまま冷凍で輸送され、国内でFD化する例が多い。健康生活グループ友愛は、タイに自社養蜂場を有し、「コロナ禍でストップしていた生RJの輸入を今回2,400kg規模で再開した」という。

 

 RJ公正取引協議会によると、同協会が2022年度に発行した証紙枚数は44万8,851枚(公取協交付分)、21万2,579枚(自社発行分)で合計66万1,430枚(前年比18%減)となった。同協議会の会員数は、187社から171社となり、減少傾向にはなっているが、3社が新規加入している。また、協会による産学官連携で新たな機能性研究も進んでいる。証紙の使用枚数や会員企業数の変動、輸入量の推移から算出した2022年度のRJサプリメントの市場規模は300億円台を維持したと推計される。

 

 一時の落ち込みから回復傾向に戻りつつあるRJ市場は、近年「フェムケア」や「スポーツニュートリション」分野の用途拡大が牽引している。スポーツニュートリション分野では、ジャパンローヤルゼリーと森川健康堂が、インフォームドチョイス認証を取得した『JRJピュアローヤルゼリー エッセンス』『スポーツローヤルゼリーエナジードリンク』をそれぞれ販売している。つづく

 

 

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