特集【アンチドーピング】 サプリメントのAD認証、分析機関の利用増加

 スポーツニュートリション市場が拡大すると共に、アンチ・ドーピング(AD)に対する注目が年々高まっている。オリンピックなどの国際競技だけでなく、野球やマラソン、ラグビーなどの国内プロスポーツ分野では、年々ドーピングに対する取り締まりが厳しくなっている。アスリートにとってドーピング違反は、体調管理と共に最も気を付けないといけない。様々な製品が市場に出回る中、アスリートが安心して使用できる製品は多くはないという。日本人選手のドーピング違反数は、外国の選手より格段に低く、日本人のスポーツマンシップの高さが伺える。

 

 一方、気を付けないといけないのが、意図せずにドーピング成分が混入しているものを摂取してしまう「うっかりドーピング」だ。安全と思っていたサプリメントでも、禁止薬物が入ってしまいドーピング違反になる例も見られる。2018年のスピードスケートの斎藤慧選手や水泳の古賀淳也選手が、ドーピング検査で陽性反応が出たことは記憶に新しい。アスリートにとって疲労回復や睡眠の質改善などパフォーマンス向上のためにサプリメントを活用したいという意向はなくならない。また、アレルギーなどにより食事から特定の栄養を摂取できない場合や、食品の安全性に問題がある場所に行く場合は、サプリメントの使用が有益となる可能性もある。

 

 こうした中、スポーツニュートリション製品のドーピング成分分析やアンチ・ドーピング認証を行う第三者機関を利用した認証取得製品の取り組みが増えている。第三者による厳しい分析と安全性が証明されることで、アスリートへの安全性を保障することはもちろん、品質のPRにも繋げている企業もある。主な、機関はLGC社、日本分析センター、イルホープ、Banned Substances Control Group(BSCG)など。この内、最も利用されているのが英国に本部を置くLGC社が提供するインフォームドチョイス(IC)とインフォームドスポーツ(IS)だ。ICは、国内だけでも119製品(40社)、ISは94製品(53社)が取得。その他、原料の認証プログラム「インフォームドイングレディエンツ」、工場認証「インフォームドマニュファクチャー」を有する。LGC社はもともと、WADA認定機関として検査を行っていたが、製品検査に特化する形で独立。世界でも最も厳しいアンチ・ドーピング認証機関として世界各国でドーピング検査認証を行う。認証取得数で一番多い国が米国で、日本は英国に次いで3番目に多く、近く2番目になる見込みだという。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1760号(2023.3.15)で
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