特集【カキ】 スポーツ分野、女性層の利用進む

 “海のミルク”“海のスーパーフード”とも呼ばれるカキ。亜鉛、鉄、セレン、クロム、マグネシウムなどのミネラル類、ビタミンA、B 群、D 、E などのビタミン類、グリコーゲン、タウリンなどを豊富に含む。なかでも、亜鉛含有量は食品中で突出しているほか、タウリンもトップクラスの含有量を誇る。

 

 健食市場で流通するカキ原料は、エキスを抽出・濃縮したものが大半を占める。各社とも製法に違いはあるが、基本的な原理はカキ肉の煮汁を抽出し、水分を飛ばして原液にするのが一般的。国内では、瀬戸内海、北陸産、三陸産などのカキを使用。県別生産量では、広島県が約1万8,200tで最も多く全体の約6割を占める。県によると、今シーズンは、海水温の上昇などの要因から成育不良で例年より水揚げ量が下回っているという。健食向け原料の供給面における影響はほぼないが、価格については各社からは、「現状維持で提供できる」「今後、値上げの検討をする可能性がある」など様々な声が聞かれた。海外品は中国産、韓国産、インド産などがある。原料価格はキロ当たり8,000円前後から2万円前後。

 

 主な原料・OEMサプライヤーは、備前化成、丸善製薬、サンエフ、ヤマト漢方、松翔など。各社、産地、製法、価格、機能性データなどで差別化を図る。末端製品ではサプリメント、飲料、ゼリータイプなどが流通。活力サポートや、肝機能サポート、日々の健康維持を訴求した商品が多い。販売メーカーでは、新市場の開拓も積極的に展開。アンチドーピング認証「インフォームドチョイス」を取得したサプリメントもあり、スポーツ分野での利用が進む。

 

 機能性表示食品では、「疲労感の軽減」「睡眠の質(夢み)の向上」「ストレス(イライラ感)緩和」のヘルスクレームを謳える商品も登場している。各社からは、「越境EC向けの注文が動き出した」「女性が疲労対策を目的に購入するケースが増えている」「フェムケアに関心が高まる中、カキ商材を取り扱いたいという相談がある」など明るいコメントが聞かれた。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1760号(2023.3.15)で
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