ZOOM UP【健康酢】 フルーツビネガー躍進、市場全体にシナジー効果

 「酢=健康」のイメージは広く浸透しているものの、黒酢のユーザーは元来、中高年層がメインだった。しかし近年は、黒酢に果汁を加えた製品や、果実そのものを発酵した製品など、いわゆる「フルーツビネガー(果実酢)」のカテゴリーが伸長している。業界を牽引する「美酢」シリーズを販売するCJ FOOD JAPANでは、テレビCMで人気の若手女優を登用するなど、ビネガードリンク市場に、美を意識する若年女性層を取り込むことに大きく貢献。2022年度は希釈タイプだけで年間2,000万本を突破するなど、引き続き好調をキープしたとのこと。

 

 またユーザーの裾野が広がったことで、伊藤園やマルカン酢、内堀醸造といったビネガードリンクの有力企業の多くも、本紙調査に対して増収と回答。2022年度のビネガードリンク市場も成長していることがわかった。実際、本紙が飲料受託企業を対象に実施した調査(有効回答33社)でも、2022年の人気受注素材4位に、酢がランクインした。

 

 一方、従来の黒酢については、主要原料サプライヤーや販売企業への取材で、飲料・サプリメント共に、中高年層を中心としたコアユーザーによるリピートに支えられ、堅調に推移していることがわかった。新たな動きでは、「鹿児島の壺造り黒酢」が昨年3月、文化庁が推進する「100年フード」に、代表企業の坂元醸造が運営するレストランが「食文化ミュージアム」にそれぞれ認定された。「鹿児島の壺造り黒酢」は、2015年の農水省による地理的表示保護制度(GI)にも登録されており、日本の食文化の1つに位置付けられた。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1760号(2023.3.15)で
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