【飲料受託/調査データ解説】 市場回復に伴い、製造現場の動きも活況

■経営状況■ 過半数が増収達成も、原料・資材等の値上げに懸念も

 飲料・ゼリー受託メーカーへの調査(有効回答33社)では、2022年通期の経営状況について「良かった」との回答は45.2%で、昨年調査より12.9ポイント増加。増収達成企業も同10.9ポイント増の53.3%となった。逆に減収企業は同22.1ポイント減の23.3に%。健康・美容飲料市場の景況感についても「好景気だった」との回答は同5.1ポイント増加しており、市場は着実に回復していることがうかがえる。2023年に増収を見込む企業は6割を超えているものの、原材料や資材、エネルギーコスト等の値上げが深刻化する中、「良くなる」との回答は、昨年調査より7.5ポイント減の35.5%、「どちらともいえない」が6割を超え、市場回復の一方で、一部懸念材料も残る結果となっている。

 

■設備投資状況■ 設備投資は過半数が実施、人手不足に悩む企業8割強に

 製造現場の景気動向の指標となる設備投資の状況を聞いた結果、2022年に設備投資を実施した企業は54.8%で、昨年調査より3.5ポイント増加した。設備投資内容(複数回答)は、「製造設備の増強」が15社で最も多かった。飲料・ゼリー製造の需要回復と共に、2023年はさらに積極的な設備投資を行う企業が多いもようで、今期に設備投資を予定している企業は67.7%%と、昨年調査より3.6ポイント増加している。近年は工場の人手不足が慢性化しており、今回の調査でも「人手不足」「やや人手不足」との回答を合わせると83.3%と、昨年調査より4.3ポイント増加した。「製造ロボットを導入している」と回答した企業は24.1%、導入を検討している企業を含めると過半数に達した。

 

■海外市場への展開状況■ 7割強が海外取引あり、ベトナムが伸長

 海外市場への展開について聞いた調査では、「直接海外企業と取引あり」および「取引先が海外輸出している」、またその
両方との回答を合わせると75.0%となり、7割を超える企業が海外向け飲料の製造実績を持つことがわかった。取引国の1位は8年連続で中国がトップとなったが、昨年はゼロコロナ政策の影響か、得票数は大幅に落ち込んだ。逆に昨年調査で3位のベトナムが2位にランクアップ、中国とは1 票差に迫った。つづく

 

 

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