特集【プラントベース】 世界トレンドは「ハイブリッド」「SDGs」など

 プラントベースフードのバリエーションが広がっている。海外市場は、高い栄養価やサステナブルを訴求する商品開発など、付加価値提案が活発に。植物性と動物性をミックスさせるハイブリッド版も目立つ。国内市場は肉代替品のみならず、昨今では水産や鶏卵、乳製品の代替食品も。食感や呈味改善、色味再現の取り組みが急ピッチで進んでいる。マスマーケットに普及させる取り組みでは、DHAなどの栄養価を付与する取り組みもみられはじめた。

 

 「健康博覧会2023」で行われたビジネスセミナー「いま起こっている世界の食トレンド最前線」(2月10日)では、Innova Market Insights日本カントリーマネージャーの田中良介氏が、世界の最新食品トレンドなどについて紹介した。プラントベースのトレンドついて、「イギリスではヴィーガン惣菜の定期宅配の取り組みが始まっている。シェフクオリティを家庭でも手軽に食べられるようになった。IKEAはプラントベース食品を肉由来の食品と同じか、それ以下の価格で提供している」ことを紹介。また、「素材とテクノロジーを最大限に生かし、代替品ではないプラントベースのコンセプトが広がっている」と説明。「精密発酵したクリームチーズの取り組みも見られ始めた」としている。このほか、「米国を除くヨーロッパなどのエリアでは、和食的要素を選択する機運も高まっている」とし、オーストラリアでは、シイタケを肉に見立てたストロガノフ風パスタ。スペインでは、ヒヨコ豆ベースのオムレツ。台湾の豆乳専門店では湯葉などの伝統食をオシャレにアレンジしたメニュー提供が進んでいるとした。

 

 同氏はプラントベースについて、世界の消費者に行ったアンケート結果を報告。「46%の消費者が肉の代替品において、栄養価が似ていることが「非常に」または「極めて」重要であると回答した」と説明。動物性食品と同等の栄養価を目指すアプローチ、コンプリートプロテイン(質の高いタンパク質)など、訴求方法の工夫が必要と指摘する。イギリスでは、カルシウムを高含有する植物性ミルクが登場したほか、米国では、エンドウタンパクとセサミタンパクをコンプリートした飲料の商品化が進んでおり、栄養アプローチも今後の食品開発のキーとなりそうだ。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1759号(2023.3.1)で
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