特集【酵素・酵母食品】 コロナ禍で善戦、495億円で回復基調

 昨年の酵素・酵母食品市場は495億円で、コロナ禍で善戦した。通販チャネルは堅調に推移したほか、店舗チャネルや、サロンルートも足取りが緩やかながらも回復の兆しがみられる。コロナ禍での生活が続く中、「断食(ファスティング)」への関心が高まっている。ファスティングホテルを運営するアイウェルネスが、昨年11月に女性630人を対象に実施した調査では、約7割が「ファスティング」に興味があり、ファスティング経験者39.8%の内、9割近くが今後もファスティングを「実践したい」と回答した。同社によると、「健康意識の高まりに加え、外出制限緩和などから利用者が戻りつつある。コロナ禍では、ワーケーションプランの利用者も増えている」という。

 

 今回、各社への取材でも、「健康維持や体質改善を目的に購入する人が増えた」といったコメントが目立った。コロナ禍で身体をメンテナンスするという意識が高まり、断食の手段として酵素商材が注目されている。また、コロナ太りの解消法から、「若い女性の購入率が上がった」「オートファジーダイエットとして利用する女性が増えた」など、新たな顧客獲得に繋がったという声も。以前の酵素ダイエットブームは過ぎたとはいえ、相変わらずダイエット目的で購入する利用者も多いようだ。この他では、「“腸活”“免疫維持”に対する関心が高まり、酵素商材の売れ行きが良い」「フェムケアをコンセプトとしたOEM案件の相談が増えている」「ホテルなど施設向けの供給が増えた」「競走馬の飼料用途での需要が急伸している」「アジアを中心に海外案件が戻ってきた」など、回復に向けた手応えを感じるコメントが聞かれた。

 

 入国緩和に伴い、昨年12月頃から、「インバウンド需要が戻りつつある」といった声も多かった。ただ、以前のような特需への期待感は高くない。ある販売メーカー・担当者は、「体感商材として酵素・酵母食品はユーザーのリピート率は高い。各社によるエビデンスデータも充実しており、正しい情報、正しい利用法を国内ユーザーに伝えていけば、まだまだ伸びる余地はある」と話す。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1758号(2023.2.15)で
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