特集【中国地方(山陽・山陰)】 産学官連携で健康事業推進

 中国地方には、健康食品関連企業が多数所在している。通販メーカーでは、山田養蜂場、八幡物産、万田発酵が本社を構える。食品メーカーではゴボウ茶で有名なあじかんは、昨年よりドラッグストア向けに青汁の製造販売を開始。自然食品の老舗、純正食品マルシマやビバはオリジナルの自然食品を開発するなど今でも健在だ。健康食品分野に進出する大手企業も見られる。広島で創業したカルビーは、同県に研究所を構え、近年、機能性表示食品の開発を行っている。オタフクソースのお多福醸造はデーツ原料の供給を強化する。受託製造では、備前化成やファイナール、ミリアグループ、フジスコなどが工場を構える。備前化成は、岡山県内に新たな素材製造工場の建設を計画する。ファイナールは、健康茶や健食の受託製造を展開。健康茶事業では、約300種類の原料を常時ラインアップする。

 

 老舗原料メーカーによる機能性素材の開発も活発だ。カツオエラスチンやヒシエキスを供給する林兼産業、キチン・キトサン、グルコサミン事業を手掛ける甲陽ケミカル、多彩な植物素材を取り扱う丸善製薬、トレハロースやヘスペリジンを供給する林原、ショウガ、キノコ原料の池田糖化工業などが健食向けに素材提案を進めている。販売メーカーの機能性表示食品の受理件数は、広島県80件、岡山県40件、鳥取県22件、山口県16件、島根県9件。今後も機能性表示食品の開発が期待される。

 

 大学と企業の連携や海外進出も活発化している。広島大学歯学部とキャンパスメディコではオーラルケア向けの独自乳酸菌『L8020乳酸菌』を開発。大学発ベンチャーとして『L8020乳酸菌』の全国展開をしている。海外からの評価も高く、近く米国での販売も始まる。備前化成は、岡山大学大学院にて「機能性食品による健康増進と腸内微生物との関係を明らかにすること」を目的に寄付講座を開設。岡山発の健康食品の啓発に尽力している。その他、アメリカで植物発酵エキスのサプリメント販売が好調なバイオバンクや中国にナットウキナーゼのサプリメントを販売するナビオなど海外に活路を見出す企業も見られる。つづく

 

 

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