京都医療センター等、タキシフォリンにNASHの予防・治療効果など確認

 京都医療センターの浅原哲子研究部長、名古屋大学の菅波孝祥教授、東京医科歯科大学の西尾美和子准教授らを中心とする研究グループは1月20日、マウスによる動物実験で、ロシア・アメチス社製のシベリア産カラマツ由来のタキシフォリンを摂取することが、肥満および重大な肥満合併症である非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の予防・治療効果をはじめ、NASHから肝がんへの進展を予防できる可能性があることを、世界で初めて明らかにした。

 

 高脂肪食負荷肥満モデルマウスにタキシフォリンを摂取させた結果、著明な体重・体脂肪量の減少や糖・脂質代謝の改善などの抗肥満効果、肝臓内の脂肪量や炎症指標、線維化指標の改善など、脂肪肝の抑制効果が認められた。また直腸温の顕著な上昇や褐色脂肪組織における熱産生の亢進が認められ、その際、エネルギー代謝亢進作用を有するホルモン、FGF-21の増加が関与していることがわかった。

 

 一方、NASHおよびNASH関連肝がんモデルマウスにタキシフォリンを摂取させた結果、NASH病態の進展における予防・治療効果が認められた。また肝がんへの進展を検討したところ、タキシフォリン摂取によって肝腫瘍数および肝がん様病変面積の顕著な減少が認められ、タキシフォリンにNASHから肝がんへの進展を抑制する効果があることが認められた。研究成果は、科学誌『Nutrients』(1月10日付)に掲載された。つづく

 

 

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