特集【スーパーフード最前線】 “栄養価値・機能性”で訴求力強化

 美容や健康目的に海外セレブや有名モデルが食事に取り入れたことで世界的に浸透した“スーパーフード”。調査会社Mordor Intelligenceによると、世界市場は2021年に1,527億1,000万米ドルに達した。2022年から2027年は9.2%の成長率で加速すると試算、スーパーフードは世界市場で身近な存在として定着した。一般食品とサプリメントの中間的存在のスーパーフードは、パウダー状に加工した100%原末からフリーズドライ、パウダーを混ぜ込んだ加工食品まで様々な形態がある。国内市場ではスムージーをはじめ、シリアル・グラノーラ、菓子類、サラダ、機能性表示食品、プラントベースなどの商品開発が進む。スピルリナやキヌア、チアシード、モリンガ、アムラ、カラハリスイカ、マキベリー、バタフライピー、シークワーサー、オートミール、ココナッツ、アサイーといった個性豊かな素材提案が活発化。「食品にふりかけるだけ」「麺類に練りこむだけ」「飲料に混ぜるだけ」など利便性の高い製品開発も進んでいる。

 

 スーパーフードサプライヤーへの聞き取り調査では、スポーツや美容のほか、機能性をPRする声が複数あった。スポーツ関連では、実業団や大学の陸上競技部での採用や、プロテイン製品に採用されるケースが目立つ。「テフ」はグルテンフリーで、鉄や亜鉛などのミネラルや食物繊維が豊富。加熱調理不要のフレークタイプがスポーツ需要を獲得している。「クコの実」はアミノ酸が豊富で、アルギニンやグルタミン酸、アスパラギン酸など含むことから、昨今ではスポーツユーザーからの注目が高まっている。「もともとアイケア訴求だったものの、近年ではカラダを鍛えている人の利用が増えている」という。

 

 機能性訴求では、「保湿、紫外線対策」「肌のくすみ改善」「血流改善」「疲労感軽減」「血糖値上昇抑制」など、スーパーフードという言葉に留まらないエビデンスベース提案が活発だ。保湿、紫外線対策などを訴求するのは、「カラハリスイカ」。美容サポート効果が評価され、大手化粧品メーカーでの採用にも繋がっている。肌のくすみ改善は「マキベリー」。疲労感軽減訴求は「モリンガ」。血流改善は「アムラ」、機能性表示対応による差別化提案が進んでいる。今年は「バタフライピー」初の機能性表示も受理される見込み、「血糖値抑制」「脂肪抑制」訴求を打ち出している。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1757号(2023.2.1)で
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