【話題追跡】 「フェムテック」健食分野に拡大、企業の研究開発進む

 「フェムテック」というワードができたことで、タブー視されていた女性の健康課題を積極的にケアしていこうとする風潮が生まれ、市場は拡大し続けている。2021年に643億円のフェムテック市場は、2022年に700億円に達すると予測されている(矢野経済研究所)。特に2021年以降はブランド力と研究開発力を持つ大手企業の参入が本格化。大手健食メーカーの参入も本格化し、現在までに大塚製薬、ディーエイチシー、アサヒグループ食品、小林製薬、帝人、カネカ、明治、森永乳業等が続々と女性向け製品を発売している。

 

 森永乳業は女性に不足しやすいタンパク質や鉄分等についてWebで情報発信。2021年9 月に『ミライPlusプロテイン』、2022年3月に『1日分の鉄分ジュレ』を発売している。同社担当者は、「30~40代の利用を中心に考えていたが、実際には想定より幅広い60代までの女性に利用していただいている」と話している。また、明治は女性向けブランド「フェムニケアフード」を立ち上げ、2022年10月に月経中の不快感を低減する「α-LA」を配合した『α-LunA』(アルファルナ)を発売。顆粒のほかグミやドリンクを揃える。同社担当者によると、「食品でケアするという概念が無かったので新鮮」という声が利用者からあったという。

 

 昨年10月の「食品開発展2022」では、「フェムテック」をテーマとしたブース展示が目立ち、機能性食品素材の提案や、フェムテックに特化したOEMを提案する企業が見られ、注目度の高さがうかがえた。企業担当者からは、「一般消費者への浸透がまだ」という声も聞かれた一方で、「健康への高意識層はフェムテックについて積極的に情報収集している」という意見も聞かれた。コア層への情報発信が市場拡大の鍵となりそうだ。2月8日開幕の「健康博覧会2023」では、「ジェンダード・イノベーションEXPO」エリアを設置。『男性妊活プロテイン』(アンファー)、ラクトフェリン配合で女性の体の調子を整える『ルナリズム』(メニコン)をはじめ、フェムテック分野の新製品発表が多数予定されており、目が離せない。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1757号(2023.2.1)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら