特集【注目のインナービューティ商材】 Withコロナで市場拡大へ

 健食市場において「美容・美肌」は、不動の人気カテゴリーだ。本紙が受託加工・製造メーカーを対象に年に2回実施するアンケート調査においても、「ダイエット」「免疫」「ロコモ対策」などを抑えて常に上位にランクイン。昨年12月の最新調査でも1位を獲得した(有効回答131社)。その市場規模は、コラーゲン、ヒアルロン酸、プラセンタ、セラミドなど定番素材だけで考えても2,500億円超(本紙推計)。最近ではNMNや乳酸菌などの利用、サプリ剤形以外で美肌効果を訴求する青汁や酵素飲料、プロテイン等も上市され、インナービューティ市場の拡大が続いている。

 

 インナービューティとは、化粧品による肌の外側のケアだけでなく、健康食品やサプリを摂取することで身体の内側から美肌を作ろうとする考え方。一部の美容家や中高年女性に限らず、一般層にも浸透が見られる。特にコロナ禍では、自宅で肌や髪のベースアップに取り組む人が急増。SNSでは「おこもり美容」などの言葉がトレンド入りした。Withコロナとなった現在も美容ニーズは継続しており、マスク文化の定着から口や目元のスキンケアなど新たなニーズも生まれている。

 

 美容サプリの剤形は、カプセル、錠剤、顆粒、ゼリー、飲料、グミなど多種多様だ。最近は、美味しさや手軽さなどが重視され、ゼリーやグミなどの採用例も多い。なかでも人気なのが、容量50mLの小型瓶タイプ飲料。『チョコラBBリッチセラミド』(エーザイ)、『ザ・コラーゲン』(資生堂)、『ヒアルモイストW』(日清食品)などが、各種ECモールの売上上位を占めている。一方で、美容サロンやクリニックなど専門店ルートでは、錠剤やカプセル剤形の人気が根強い。手軽さよりも体感性、成分の含有量が重視され、身体への浸透性や安定性を高める加工技術の活用も見られる。

 

 インナービューティの認知拡大には、トクホや機能性表示食品の存在も大きい。19年に登場した『オルビス ディフェンセラ』は、日本初の肌トクホとして1年間で約29億円の売上を記録。「サプリで肌を保湿する」という発想を消費者に浸透させる一因となった。肌への効果を訴求する機能性表示食品は、1月11日現在615品が受理されている。昨年同時期と比べて150品以上増えており、受理総数の9.8%を占める。関与成分には、ヒアルロン酸、セラミド、アスタキサンチン、コラーゲンペプチドなどが用いられている。近年の腸活や菌活ブームから、乳酸菌の利用も活発化。ヘルスクレームは、肌の保湿力(バリア機能)、弾力性の向上などに関するものが多い。一方で、肌、口、目の保湿効果を同時に訴求する「エリオジクチオール-6- C-グルコシド」、紫外線保護とヒップ周囲径の減少を訴求する「リンゴ由来プロシアニジン」など複数の効果を訴求できる成分も人気を高めている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1756号(2023.1.18)で
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