ファンクショナルフード学会、第19回学術集会に約80人が参加

 ファンクショナルフード学会は、1月6日から2日間、名古屋市(会場:ウインクあいち)で「ファンクショナルフードは老化を制御できるか?」をテーマに第19回学術集会を開催した。現地、オンラインを合わせて約80人が参加した。初日の基調講演では、国立長寿医療センター研究所の丸山光生氏が、「ジェロサイエンスとファンクショナルフードの接点、炎症抑制と栄養管理」と題して講演。寿命遺伝子の発見や老化のメカニズムから紐解いたエビデンスをヒトの老年医学により近づけるものとして位置付けるジェロサイエンス研究について概説した。また、ファンクショナルフードによる炎症抑制と栄養管理の一例として、乳酸菌株(KW3110)を用いたマウス試験の研究成果を報告。腸内細菌叢の変化や加齢に伴う腸の炎症抑制、血中サイトカイン量の抑制の有無を解析し、老化に伴い生体内に生じる細胞老化、炎症性サイトカインの産生とそれを制御する腸管、全身における生体防御系を検討した結果、老化の進行が遅くなることを確認した旨を述べた。

 

 2日目の大会長講演では、国立長寿医療研究センター老化ストレス応答研究プロジェクトチームの清水孝彦氏が、「臓器老化モデルマウスを用いたファンクショナルフードの機能性解析」と題して講演を行った。同氏は、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)の減少が老化に伴う病気の一因であると強調。SOD 1欠損マウス表現型を改善した機能性食品として、ビタミンC(骨量改善、皮膚厚改善)、レスベラトロール(皮膚厚改善)、コラーゲンペプチド(皮膚厚改善)、高麗人参の実抽出物・シリンガレシノール(皮膚厚改善)、白金ナノコロイド(皮膚厚改善)などを挙げた。同氏は、「ファンクショナルフードを賢く利用して老化を制御し、健康寿命の延伸に繋がればと思う」と述べた。つづく

 

 

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