消費者庁、景表法で「ステマ」規制へ

 消費者庁の「ステルスマーケティングに関する検討会」は12月27日、広告であることを隠して広告するステマについて、景品表示法による規制が必要とする報告書を取りまとめた。300人の現役インフルエンサーを対象とした実態調査では、41%がステマを広告主から依頼された経験があると回答。このうち約45%が依頼を受けたと答えた。報告書では、ステマ規制の方向性として、「一般的・包括的な規制が妥当」と指摘。消費者に誤認されるおそれのある表示を規制する「景表法第5条第3号」の告示に指定することが妥当と判断した。また、「規制対象となる表示(媒体)の範囲は限定しないことが妥当」とした。

 

 一方で、ルールそのものが多様な事象に対応するため抽象的にならざるを得ないとしても、ある程度の具体的考え方が示されなければ「事業者の事業活動が不必要に萎縮するおそれがある」と指摘。このため、「事業者の予見可能性を高めるための運用基準等の策定の必要性がある」ことを提言した。また、「一般消費者が、事業者の表示であることを判別できることが重要」と指摘。事業者の表示であることを示す表示の仕方について、「表示方法に関しては、一般消費者が事業者の表示であることを判別できるものであれば、問題とはならない」と整理した。

 

 ステマを法令的な用語に置き換えた告示案として、「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」との内容を示した。前段の「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示」が広告で、後段の「一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」が、広告であることを隠す表示になるとしている。

 

 報告書では、「運用基準」の方向性も提示。事業者の表示になるかどうかは、「事業者が『表示内容の決定に関与した』とされる場合である」とし、「関与した」とみなされる事例を示した。「事業者が自ら表示しているものにもかかわらず第三者が表示しているかのように誤認させる表示」も含まれる。一方で、事業者が「表示内容の決定に関与した」とされないものについても、考えられるケースを例示した。つづく

 

 

 

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