ZOOM UP【パワーベジタブル】 農水省、野菜摂取量の“見える化”実施

 「1日350g野菜を食べよう」という情報は定着したが、肝心の実態は10年以上も改善が見られず、国内の野菜摂取不足は年々深刻化している。こうした中、野菜パウダーを活用したサプリメントやスープ、ふりかけ、青汁、スムージー、健康志向の製菓などで手軽に摂取する傾向が増加。農水省による新たな野菜摂取量の“見える化”に関する取り組みも報告され、今後の野菜摂取不足の改善に新たな道筋が示されようとしている。

 

 “コロナ太り”の問題や、直近の野菜価格高騰などを背景に、野菜摂取の重要性は一段と強まっている。こうした背景を踏まえ、スーパーやコンビニでは、350g/日を基準に、「1日の約半分の野菜が摂れるサラダ」など様々な総菜を展開。また、生鮮で補えない野菜成分を、サプリメント、青汁、スムージー、健康志向の製菓などで手軽に摂取する傾向も見られ、サプリメントやジュース、スープ、ふりかけなどの加工食品に国産野菜パウダーの活用が広がっている。野菜摂取量の少ない20~40代では、「タンパク質の補充」(20代男)、「ビタミンの補充」(20代女性)、「健康の維持・増進」(その他の年代)といった目的で健康食品を摂取する結果も。

 

 野菜パウダー配合のサプリメントでは、国産野菜32種類に乳酸菌と酵母を加えた『国産パーフェクト野菜プレミアム』(ディーエイチシー)や、野菜成分のみの無添加サプリ『満点野菜』(ファンケル)、大豆ペプチドをブレンドした『野菜粒』(小林製薬)、野菜パウダープレミックスサプリ『ベジチャージ 12種類の野菜』(三笠産業)、クロレラやユーグレナ配合の『野菜力』(健康家族)など、プレミックス原料が売れ筋上位に。サプリメントだけでなく、加工食品分野でも野菜パウダーのニーズは依然として高く、野菜不足を補う観点から、より多くの野菜をバランス良くブレンドするプレミックス原料が人気だ。コロナ禍の生活様式の変化や、原料・資材高騰に対応した少量・個包装など新たな提案も進んでいる。

 

 農林水産省は昨年11月、野菜摂取量の見える化の取り組み結果を公表した。8月31日「野菜の日」に関する特別企画として、手指のカロテノイドを測定することで日頃の野菜摂取状況が把握できる測定機器(職員向け『ベジメータ®』:㈱LLCジャパン)を、8月18日~9月30日まで農林水産省内に設置し、日頃の食生活に適量の野菜を取り入れることが習慣となるよう機会を創出した。その結果は、職員向けの全体の結果で野菜摂取量の改善を確認。事前と事後に実施したアンケート調査でも、野菜摂取を心がける意識の変化に有意な改善が見られた。「野菜摂取量がスコア数値として“見える化”されたことで、野菜不足の改善を図ろうとする意識改善に繋がった」という。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1755号(2023.1.4)で
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