特集【ペットサプリ】 コロナ禍でペットサプリ需要拡大

 コロナ禍で、在宅勤務や家の中で過ごす人が増える中、癒しやパートナーを求め、新たに犬や猫を飼う人が増えている。2019年以降、全国の犬猫新規飼育頭数は増加している。なかでも、室内で飼える猫や小型犬が人気となっている。(一社)ペットフード協会の全国犬猫飼育実態調査によると、2021年の新規飼育頭数は、犬は39万7,000頭・猫は48万9,000頭となり、2019年の犬35万頭・猫39万頭からいずれも増加傾向だ。

 

 同調査によると「心穏やかに過ごせる日々が増えた」「毎日の生活が楽しくなった」などと「ペットを癒しと感じる」人が増えたことを要因に挙げている。実際、犬猫をコンパニオンアニマルと呼び家族同然に扱い、費用を惜しまない飼い主も多く見られる。1ヵ月当たりの犬に掛ける総額は、前年比15%増の1万3,843円、猫は同16%増の8,460円と年々増加傾向に。同協会の児玉博充会長は、「コロナ禍は、相対的にペットの飼育に関してポジティブに働いている」と語る。

 

 ペットの高齢化、ペットの健康を気遣う飼い主が増えていることで、ペットサプリメントの需要も拡大している。富士経済によると、2021年のペットサプリメント市場は、前年比6,9%増の76億2,400万円となった。コロナ前の2019年比では、12%増となっている。ペットが高齢になるに従い、白内障や関節の衰弱化を心配する飼い主が増えているという。その予防にルテインやコンドロイチンなどアイケアや関節サポートのサプリメントを利用するケースが増えている。歯周病対策も進み、乳酸菌やマスティックを使う歯磨き剤やサプリメントも上市されている。

 

 ペットサプリメントの代表的な原料は、乳酸菌、冬虫夏草、緑イ貝、クリルオイル、グルコサミンなど。また、ルテイン、LPS、米ぬか由来アラビノキシラン、卵殻膜なども市場に流通している。ヒト向けに採用が進んでいる素材やエビデンスが一つの採用基準となっている。最終製品の主な販路は、獣医ルートや高級ペットショップ、トリミングサロンなどを中心に利用が進んでいる。特に獣医ルートは飼い主の信頼も高く各メーカーの提案が活発だ。動物病院では、治療サポートやペットのQOL向上を目的に利用する例が増えている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1754号(2022.12.21)で
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