【機能性表示食品キーマンに聞く】 オール九州での支援体制構築が不可欠

 機能性表示食品の開発支援に携わる長崎県立大学シーボルト校地域連携センター特任教授の田中一成氏は、九州地域バイオクラスター推進協議会の会長も務める。田中氏に九州地域におけるヘルスケア産業の強みや、機能性表示食品開発の支援活動などについて話を聞いた。

 

――九州で注目している健康素材は

 

 ポテンシャルの高い健康素材はたくさんあります。その中でも、大麦(β-グルカン)は九州全体で栽培から収穫までできるので、大麦を活用し、オール九州として、新たな機能性表示食品の創出に向けた取り組みが進めば、九州全体を盛り上げることになり、競争力の強化に繋がると思います。

 

――機能性表示食品の創出に向けて鍵となるものは

 

 福岡県をはじめ、各県や大学・公設試験研究機関などによる多様なサポート体制が進む一方、企業が支援情報を知らずに課題解決に至っていない事例も少なくありません。特に、ヒト臨床試験の実施は、中小規模の事業者で取り組むのは難しいです。これまで以上に、オール九州での支援体制の確立が重要であると考えられます。九州地域バイオクラスター推進協議会(事務局:(公財)くまもと産業支援財団)では、新たな取り組みとして、機能性表示食品開発を目指す事業者が、独自で研究情報やエビデンスを備えることができるよう、九州各県の大学・公設試験研究機関が支援する仕組みづくりに着手しました。長崎県立大学で、ヒトでの効果を検証するための「食品治験ネットワーク」を県の支援の下に構築した経験を活かし、まずは、熊本県内の大学、公設試験研究機関や熊本県の「UXプロジェクト」等と連携し、熊本県での機能性表示食品開発支援モデルの構築を目指します。今後、協議会を拠点に、熊本モデルを九州全体に広げていきたいです。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1752B号九州別冊号(2022.11.16)で
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