連載【自然食品店・オーガニック専門店の戦略】 ”御用聞き”、店頭商品の3割は顧客の声を反映

 ㈱TOMOTO(大阪市北区)が展開するナチュラルストア日向は、「カラダとココロと地球にやさしい」をテーマに、食品の安心安全を保証する厳しい自社基準(原材料や産地、製造工程)に合格した商品を販売している。店長の武内和代氏に話を聞いた。

 

── 「美味しい」声を聞きたい

 

 消費者の生の声が聞きたくて10年前にこのお店を立ち上げました。当社はもともと生協などに食品を卸す事業に取り組んでいます。食品の安心・安全はもとより、“ひなたの食べ物は美味しい”と評価される食品の販売に努めています。日頃大切にしていることは「顧客との会話」です。仕入れ商品は顧客の要望をできるだけ反映させています。「何か欲しいものはありませんか」「どんなものが足りていませんか」など、御用聞き販売を心掛けています。お店立ち上げ当初は私たちが良いと思った商品を仕入れていましたが、接客を深めていく中で、顧客ニーズをしっかり捉え切れてないことに気づいたからです。

 

 店頭商品の3割は顧客の声を反映させています。初めて利用する顧客からは「見たことがない商品が売ってる」との声が多いです。この取り組みは顧客満足度向上のほか、口コミにも繋がります。健康のことや環境問題について、無理なく自然に広がることを期待しています。客層は家族連れのほか、30〜50代男性の来店が目立ちます。男性も気軽に利用できる店づくりを意識しています。売れ筋は、ジンジャーシロップや国産蜂蜜です。ヴィーガンやグルテンフリーの問い合わせも多く、POPに“ヴィーガン”マークを記載する工夫も凝らしています。

 

── 風船プレゼントやシャボン玉吹きも

 

 自然食品は説明販売が重要です。試飲をはじめ、手作りのチラシ配布などによる丁寧な商品説明を心掛けています。試飲はしっかり美味しさを伝えることができるため、売上アップに繋がります。チラシは店舗運営におけるこだわりや特売日などの情報を記載しています。チラシの反応はスタッフ間で情報共有し、利用率が高まるチラシ作成に努めています。私たちは子供に好かれる店を目指しています。風船プレゼントやシャボン玉吹き、クリスマスや子供の日などのイベントなど「日向に行ったら楽しそう」というお店作りをしています。小さい頃の思い出が食への関心のきっかけになって欲しいことと、成人してもずっと来店して貰えるお店にしたいです。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1752号(2022.11.16)で
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