特集【通販・ECサポートソリューション】 拡大するEC物販、製造×物流の自動化・効率化進む

 経産省が今年8月に公表した「電子商取引に関する市場調査」によると、国内BtoC-EC市場規模は20.7兆円(前年比7.2%増)で、物販系市場規模は13.2兆円(同8.1%増)と過半数を占める。こうした背景には、コロナ禍での巣ごもり需要や、非接触での購買ニーズの高まりなども寄与している。なお、越境EC市場規模も拡大しており、中国消費者による日本事業者からの越境EC額は2兆1,382億円(前年比9.7%増)で続伸。個人消費における物品購入が概ね伸び悩む中、EC物販系市況規模は高い成長率で拡大している。

 

 消費者の生活様式や購買行動が急激に変化する中、国内通販・EC市場は、従来型の新聞や雑誌、TV、カタログ、DMに加え、PCサイト、スマホ、ソーシャルメディアなど販売チャネルの多様化とともに、スマホを用いた店舗での購入や、店頭注文後に自宅で受け取るといった購買行動も増え、オムニチャネル化が進んでいる。物流の変化も著しく、近年の宅配便取扱個数の急激な増加、それに伴う再配達問題などの宅配クライシスを経て、コンビニ受け取りサービスや在宅ロッカー、置き配など受け取り方法の多様化が浸透してきた。このため、店舗への納品と、ECでの配達を従来のように分けて管理できない状況も生じるなど、商品流通が複雑に入り組んでいる。

 

 健康食品や化粧品のEC市場参入も多い中、オムニチャネル戦略としては、ネットショップやリアル店舗などの顧客情報とチャネルごとの受発注、および在庫の一元管理をリアルタイムで行う仕組みが重要になっている。最終製品の管理や配送で生じるこうした課題に着目し、健康食品や化粧品専用の充填包装から保管、物流までをワンストップで対応する富士宮通運㈱や㈱ミズ・バラエティー、㈱トラストなどの事業者が活躍。健食GMP、化粧品GMP、FSSC22000などの認証取得はもとより、製造工程では、多品種少量型から量産型いずれにも柔軟に対応可能な体制づくりに注力。さらに、協働ロボット導入による品質・生産性の向上だけでなく、製品特性に配慮した在庫保管から、越境含む国内外対応物流、EC運営の代行を行うケースまで、クライアントニーズに応じてきめ細かな対応が進んでいる。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1751号(2022.11.2)で
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