連載【はじめての越境EC⑱】〈インド編〉経済発展で中間層が5割の7億人超に

 国連が7月に発表したデータによると、インドは人口14億1,200万人で、世界第2位。人口は増え続け、2050年には16億6,800万人になることが予想されている。インドは2000年代からの20年間で、経済発展とともに中間層の世帯が大きく増加。近年では、マーケット拡大を見越して、世界中の外資が投資を始めている。インドの小売市場は、特に地方では規模の小さな家族経営の小売店が主となっている。ECでのショッピング需要は高く、直近の10年で急速に拡大した。2010年に59億ドルであったEC市場は、2020年には1,031億ドルと17倍に成長している(JETRO・推計)

 

 インドのECプラットフォームは、Amazonグループの「Amazon India」、米国Walmartグループの「Flipkart」、インド発の「Snapdeal」等が、主に利用されている。EC利用拡大の鍵となったのは、安価で高性能な中国製スマートフォンだ。国内EC構築や越境EC支援も行うecbeingの斉藤淳氏によると、「2014年頃から、中国製スマホがインドに普及し、同時にECの利用が一挙に広がった」という。インドは2000年代からの20年間で、経済発展が進むとともに、中間所得世帯(年収25~100万円)が大幅に増加。2000年には4%であった中間所得世帯は2018年に53.5%となった(Euro Monitor)。現在では、人口の大半が中間層となり、ひと昔前のインドと比較して豊かで、海外製品を含め積極的に消費する人が増えている。

 

 消費者が日本製品を知るきっかけで最も多いのは、来日した際のインバウンド消費だ。日本製品を体験して帰国、ECで購入しようとするが、「模倣品問題があるため、企業直営のECサイトを探して購入する人も多い」(斉藤氏)という。インド市場の特徴について、日本企業の進出支援を行うUJA Global Advisoryの荒木英仁氏は、「中国市場や東南アジア市場と大きく異なる点は、消費者が日本のことをほとんど知らないことだ」という。「日本のトレンドを追いかけたり、日本で流行している物を欲しがったり、ということがない」という。つづく

 

 

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