厚労省、健康被害情報の取扱い方針 報告14例の健食、成分名等「公表しない」

 厚労省では改正食品衛生法で、ブラックコホシュなど4つの「指定成分」を含む食品との関連が疑われる健康被害情報をホームページで公表している。新開発食品評価調査会に設置された「指定成分等含有食品等との関連が疑われる健康被害情報への対応ワーキンググループ」(WG)が、届出された情報について専門的見地に基づいた対応を検討している。昨年11月に同WGの設置要綱が改正され、「いわゆる健康食品」との関連が疑われる健康被害情報に対しても、「食品衛生上の措置の要否」を検討することとなった。

 

 焦点となったのはその公表方法だ。昨年10月の検討段階では、製品名の記載欄はなかったものの、主な症状や他の健食の摂取状況などに加えて、「主な成分等」を記載する公表様式を案として提示。特徴ある成分や組み合わせが公表されれば、容易に製品名が特定される懸念があった。この案には「主な成分等と主な症状との因果関係は必ずしも明らかになっているものではない」旨の一文があったが、公表されれば風評被害につながるおそれが指摘されていた。

 

 10月24日のWGでは、資料として「いわゆる『健康食品』との関連が疑われると報告がなされた健康被害情報の取扱いについて(案)」が示された。案では、指定成分以外の健康食品について、「情報収集の強化及び指定成分制度の導入を踏まえた措置の明確化等が必要」と指摘。リスク管理の全体像の見直しとその円滑な運用を目的として、2002年10月の通知「健康食品・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領」の改正を視野に、“新たな方針”を検討することを盛り込んだ。

 

 健康食品との関連が疑われる健康被害情報については、報告された14事例について、注意喚起を含めた緊急対応が必要な状況になく、「因果関係等の分析のためにはさらなる事例の集積が必要」と指摘。関係団体等の意見も踏まえて、「成分名や製品名を含む公表は行わない」こととし、今後、“新たな方針”を検討する中で、「消費者等への情報提供についても検討することとする」とした。つづく

 

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