ZOOM UP【環境配慮型パッケージ・容器】 紙素材・バイオマスプラへの転換進む

 プラスチック使用量を削減したパッケージや、リサイクル可能な紙パッケージなど、地球環境や資源循環に配慮した「環境配慮型パッケージ・容器」を採用する健食、化粧品ブランドが増え続けている。2022年4月には、「プラスチック資源循環促進法」が施行。企業の資源循環への取り組みが義務化され、脱プラスチックのための導入ガイドラインが出されたことが、普及を一層推し進める。環境省は「プラスチック資源循環戦略」を発表。2030年までにバイオマスプラスチックを200万t導入することを目標としている。今後様々な施策が期待され、大手飲料メーカー、食品メーカーを中心に進められてきた環境配慮型パッケージ・容器への取り組みが、健康食品・化粧品・日用品メーカーへも広がることが期待される。

 

 ファンケルは、紙パッケージにおける環境配慮紙の採用を2025年度までに100%を目指すと発表。また、化粧品の植物由来・再生由来プラスチックの使用率を2030年度までに30%まで高めるとしている。マツモトキヨシは現在、PB「matsukiyo」シリーズ全体へ環境配慮型パッケージの導入を進めている。資生堂は独自のパッケージポリシー「資生堂5Rs」を公開。2025年までに全化粧品容器をリユース可能等、サスティナブルな容器包装にする目標を発表した。2021年度は65%を達成しているという。

 

 環境への配慮は、消費者への浸透が急速に進んでいる。10~70代の男女2,500人を対象とした調査(電通、2022年3月)では、社会や環境に配慮した製品やサービスを選ぶエシカル消費に、「とても関心がある」「関心がある」とした人は15.3%となり、前年より6.6ポイント伸長した。性別・年代別では、16~24歳女性(22.7%)が最も高く、次いで60~79歳女性(21.0%)、16~24歳男性(20.9%)となった。Z世代の男女と、高齢の女性に特に浸透している。さらに、プラスチックフリーを「生活に取り入れてみたい」と回答した人は28.8%と、前年より6.9ポイント伸長している。エシカル消費を取り入れる条件は、「価格が同じだったら」(44.0%)、「メリットが分かったら」(38.1%)が高く、「品質・機能が良かったら」(36.2%)が続く。高品質で環境へのメリットが明示され、価格も内容に対して納得感のある製品が選ばれやすいことが明らかになった。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1750号(2022.10.19)で
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