特集【四国企業ガイド】 独自の民間認証制度、利用拡大

 太平洋と瀬戸内海に挟まれ、中央部は数千m級の険しい山々が連なる四国地方。総面積は1万8,800km²、日本全体の約5%を占める。太平洋側の地域は、黒潮の影響を受け、年間通して温暖な気候が多い。南東からの季節風や台風の影響で、降水量は全国で最も多い。地場資源を活用した機能性表示食品の開発も活発化。四国における届出総数は、34社75品。昨年10月から14品増加している。愛媛県や香川県の行政機関では食品素材の成分分析、機能性研究を支援する研究機関を設け、機能性表示食品の届出をサポートする動きも。県内企業の利用も徐々に増加している。

 

 地域独自の民間認証制度の活用も広がっている。四国産業・技術振興センター(STEP)が主体となり、全国初の食品表示に関する広域民間認証制度として2017年にスタートした「四国健康支援食品制度」では、希少糖、栗渋皮、スダチ果皮、イワシ、海洋深層水、ショウガなど、四国の地場資源や産学連携で研究される素材活用が進んでいる。北海道庁の認証である「ヘルシーDo」に準え、「ヘルシー・フォー」の愛称で呼ばれる同制度は、導入までの時間的・価格的コストの低さから、トクホや機能性表示食品の前段階として制度活用する企業が増えている。

 

 また、四国内で製造された素材が配合されていれば、県外事業者も認証を受けることが可能。10月12日現在、認証品は11社12品となっている。四国健康支援食品普及促進協議会の筬島克裕会長は、「地方企業にとって機能性表示食品やトクホなどはハードルが高い。地域独自の民間認証制度が“国の制度の入り口”として機能し、体力のない企業にも新たな事業参画のきっかけになっている」と話す。「ヘルシー・フォー」は、トクホ・機能性表示と異なり、具体的な効果効能を商品表記することはできないため、制度の利用に消極的な企業も見られるが、「生鮮食品にサプリ並みの機能性を求める人は少ない。“なんとなく健康に良いイメージ”を伝える方が効果的だと思う」「健食分野は未開拓だったがヘルシー・フォーを足掛かりに機能性表示の届出を目指している」など前向きな意見も。栗渋ポリフェノールを展開する中温では、「認証取得を機に、問い合わせが3倍以上に増え、大手企業との商談も進んだ」としている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1750号(2022.10.19)で
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