連載【自然食品店・オーガニック専門店の戦略】 ストーリー性・美味しさの発信で普及を

 ㈱自然食品有機村(山梨県甲府市)は、“ナチュラルライフサポーター”をコンセプトに掲げ、自然食をはじめ自然農や環境問題を伝える取り組み進めている。「自然に寄り添う暮らしを提案したい」という店長の井上直記氏に話を聞いた。

 

──起業の経緯は?

 

 約20年前、講演会で地球環境の深刻さを知ったことがきっかけです。自然農による野菜づくりや環境問題を学ぶ中、地球環境と食は密接な繋がりがあることに気付いたのです。その後、自然食やオーガニックについて真剣に考えるようになり、自然食品店“有機村”を始めました。事業スタートは2001年。今年で21年目を迎えます。店のコンセプトは、”ナチュラルライフサポーター”。地球環境に負荷をかけず、健康増進を図っていくことに努めています。

 

──“有機まつり”とは?

 

 オーガニックに触れるきっかけ作りや、自然を意識する人との親交を深めることを目的にした“自然派”のイベントです。コロナ禍のため現在は休止中ですが、コロナ前は会期中(3〜4日間)は約60店舗(各日10〜15店舗)が集まり、自然栽培の野菜、ナチュラル素材で作る製菓・製パン、自然雑貨を販売しました。ここでは自然食やオーガニックに興味のなかった人も多く立ち寄り、祭りのような賑わいをみせます。試食で美味しさに触れ、オーガニックのファンになる人も生み出しました。

 

──品揃え・集客の工夫は?

 

 取り扱いは約3,000品目。47坪(事務所込)の店舗で運営しています。集客の工夫は、店舗内スペースを利用した料理教室のほか、ここ数年はLINEのメール会員を募っています。高齢者には紙ベースの告知が必要なため、店頭掲示板で自然派のイベント情報などを張り紙しています。野菜は毎朝、農家から仕入れた新鮮なものを店頭に陳列しています。独自の調達ルートを確立しているため、都内の自然食専門店より安価で提供できます。オーガニック野菜は慣行栽培のものより一般的に2〜3割高いといわれますが、当店で販売する野菜は1割程度の高さに留めています。野菜によっては一般スーパーと同じ価格のものもあり、「新鮮で安い」と好評です。オーガニック野菜が身近になれば、加工食品にも興味が沸くと思います。加工食品の売れ筋は、グルテンフリー、ローフード、スーパーフード、プラントベースをキーワードとした商品です。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1750号(2022.10.19)で
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