特集【サラシア属植物】 トクホの“サラ牛”登場、市場活性に期待感

 豊富なエビデンスと体感性の高さで支持を集めるサラシア属植物。今年は大手外食チェーン・吉野家の特定保健用食品 『トク牛サラシアプレミアム』の発売が話題となった。同品は、冷凍牛丼の具のたれにサラシアエキスの有効成分サラシノールを0.5mg配合したもの。「食事から摂取した糖の吸収を減らし、食後の血糖値上昇を緩やかにする」と表示した。構想から8年、申請から4年かけて実現したという。発売後の反響について「トクホはインパクトがある。ネット上のレビューでもその価値を理解いただくコメントがあった。50代以上男性に多く利用されている。サラシアの認知度向上に向け、今後も粘り強くサラシアの認知普及に取り組んでいきたい」としている。

 

 学術研究は、サラシア属植物研究の第一人者である京都薬科大学名誉教授の吉川雅之氏の研究を皮切りに、メーカーや学術機関が積極的に進めてきた。これまでの主な研究テーマは、「α-グルコシダーゼ活性阻害」「抗肥満作用」「肝機能改善」「肝臓保護作用」「中性脂肪上昇遅延作用」といった生活習慣病に関する論文が報告されている。機能性表示食品では、サラシア由来サラシノールを関与成分とした商品が続々と登場。「糖の吸収を抑え、食後血糖値の上昇をゆるやかにする」「腸内環境を整える(おなかの中のビフィズス菌を増やす)」旨の表示で受理されている。昨年末には「5ALA」と「サラシノール」を関与成分とした製品が上市されるなど、複合型での商品化も目立つ。

 

 サプリメント形状以外の届出受理では、「なめ茸」の商品化も。発売元の()高見澤によると「ご飯は食べたいけど血糖値が気になる人向けに、ご飯のおかずとして使うなめ茸に着目した」という。サラシア属植物の普及について、注目すべきは外食企業の新規参入といえる。ラーメンチェーン店の幸楽苑は昨年、サラシア配合サプリ『糖(とう)さんご麺(めん)』を発売した。サラシアの素材認知向上につながることが期待される。スーパーマーケットやドラッグストア向けの商品戦略も進む。タカノ㈱は今年4月、ワンコイン(税込500)で購入できる機能性表示食品「すっきりサラシアキュート」を上市した。量販店向けラインアップの拡充で、新規ユーザー獲得に取り組んでいる。つづく

 

 

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