特集【納豆由来・機能性素材】 海外輸出・越境ECが好調

 ヨーグルト、味噌、酢などと並んで、日本人に馴染み深い発酵食品、納豆。そのルーツは諸説あるが、縄文後期から弥生時代にかけて、中国大陸から伝わったという説が有力で、古くから貴族や武家の健康維持目的に食されてきた。江戸時代には、一般庶民にも広く普及し、米や味噌汁とともに日本人の朝食の定番になった。納豆にはタンパク質、カルシウム、鉄分、イソフラボン、ビタミン類などが豊富に含まれている。さらに近年の菌活ブーム、発酵食品のイメージの良さから、健康目的で納豆を食べる人は多い。

 

 調査会社のマイボイスコムが昨年11月に、約1万人を対象に行なったアンケート調査では、「普段から健康のために意識して摂取する発酵食品」として、納豆が1位(59.8%)にランクイン。次いでヨーグルト(53.7%)、味噌(32.1%)となった。一方で、納豆特有の臭い、口触りが苦手な人も少なくない。脱臭技術による臭いを取り除いた加工食品や、納豆の栄養素を凝縮したサプリメントの利用も増えている。主にナットウキナーゼ、ビタミンK₂、納豆菌の3成分が活用されており、それぞれ血流改善、血圧調整、美肌、脳機能改善(ナットウキナーゼ)、血液凝固、骨代謝、筋肉疲労回復(ビタミンK)、免疫賦活、整腸(納豆菌)など、豊富なエビデンスが蓄積されている。

 

 小林製薬をはじめ、オリヒロプランデュ、アサヒグループ食品、ヤクルトヘルスフーズ、ファンケル、ディーエイチシーなど有力企業の定番商品となり、店販ではDgS、通販ではECを中心に展開されている。ただ、コロナ禍のインバウンド需要縮小で店頭ルートは苦戦を強いられている。大手ブランドでも前年比8割弱まで売上を落とす事例が見られた。一方で、ECをメインとする納豆サプリの売上は、微減~横ばいで推移。中国、台湾、東南アジア向けの越境ECでは、21年の売上が前年から7割伸長する製品も。また中国のアリババグループでは、今夏より納豆菌、乳酸菌のラインアップを拡充している。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1748号(2022.9.21)で
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