特集【快眠サポート】 新原料や異業種コラボで睡眠市場広がる

 総務省が8月31日に発表した「令和3年社会生活基本調査」によると、減少傾向で推移していた睡眠時間が、前回調査(2017年)と比較し、20分間伸びたことが明らかとなった。コロナ禍により在宅勤務が増えたことで、休養・くつろぎの時間が増加したことが要因となった。一方、在宅勤務の影響で、生活リズムが不規則になったケースも報告もされている。寝具メーカーの西川と調査会社のクロスマーケティングが9 月3 日に発表した「睡眠白書」によると、調査対象者1万人の内、睡眠に対して「満足している」と答えた人は30.9%となり、前年の31.7%を0.8ポイント下回った。(一社)日本睡眠学会の内村直尚理事長は、「日本人の睡眠時間は、依然として先進国の中で最も短い。しかし、ここ数年で、ようやく睡眠の重要性に気付き始めた。産業界が睡眠不足に対して、様々な施策を取組んでいることは評価すべきだ」と話す。

 

 (公財)精神・神経科学振興財団は、睡眠学会の協力の下、2011年より3月18日と9月3日を「睡眠の日」に制定。同財団では毎年、睡眠の日に合わせて関連セミナーを開催している。担当者によると、「ここ数年、寝具業界だけでなく、食品業界や教育、スポーツ業界など様々な業界から、参加や問い合わせが増えている」という。食品メーカーでも、睡眠の日に合わせ様々な業界とコラボし、快眠サポート製品のプロモーションを行う動きが活発化している。アサヒグループ食品は、日本アニメーションとコラボを実施。人気アニメ「コジコジ」をキャラクターに「CP2305ガセリ菌」を機能性関与成分とする機能性表示食品『ココカラケア』の動画コンテンツを限定公開した。既にキャラクターのファンから肯定的なコメントが寄せられているという。

 

 『メンタルバランスチョコレートGABA』を販売する江崎グリコは、異業種6社に呼び掛けて、期間限定で睡眠プロジェクトを実施。都市型ホテルHAMACHO HOTELで各社の睡眠関連製品をコーディネートした「最高の睡眠ルーム」を企画し、話題になっているという。ヤクルトは、春の「睡眠の日」に合わせ、『ヤクルト1000』のプレゼントキャンペーンを行い、好評裏に終了したという。『ヤクルト1000』は、長年の脳腸相関の研究を経て、「乳酸菌 シロタ株」がストレスや睡眠に対する機能があることを確認し2021年に販売した機能性表示食品。テレビやSNSで取り上げられ、品切れが続出したことは記憶に新しい。健食メーカー各社が取り組む「睡眠の質」の重要性が消費者にも伝わり、着実に快眠サポート市場を押し上げていると言える。つづく

 

 

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