特集【大阪府~健康・美容産業~】 コロナ鎮静傾向で、各社堅調な動き

 ものづくりの街として発展してきた大阪府には、健康・美容産業界で全国区の企業が集積している。健食業界では、歴史的に薬の販売を行ってきた地域柄、生薬や医薬品に起源を持つ企業が多い。化粧品業界では、大手・有力を含む受託メーカーが特に多く見られる。さらに家庭用医療・健康機器分野の大手・有力企業が多い点も大阪府の特長だ。大阪大学をはじめアカデミアも充実しており、産学官連携も活発に行われている。大阪府では成長戦略の中で、先端医療やライフサイエンスを含め、健康寿命延伸産業の創出・育成に注力しており、中小・ベンチャー・スタートアップ企業への手厚い支援も展開。来る2025年の大阪・関西万博では、大阪パビリオンの名称が「大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn」に決定したことが発表された。万博開催に向け、府内の健康・美容産業界の盛り上がりにも期待される。

 

 大阪府では、「大阪の成長戦略」の中で、強みを活かす産業・技術の強化を掲げている。具体的な取組内容としては、2019年3月より運営を開始した健康寿命延伸産業創出プラットフォーム『HBNet』を通じて、会員向けのセミナー開催やマッチングフェア出展のサポート、2015年7月に設置された「大阪健康寿命延伸産業創出プラットフォーム」(OKJP)を通じて、健康寿命延伸産業に関連する事業者の取り組みを産学金官連携によりサポートする事業の展開―― など。OKJPでは、地域の健康寿命延伸のための課題解決に繋がるビジネスプランの募集、セミナー&交流会、新規ビジネスプラン研究会などを開催しており、今年も「健康産業有望プラン発掘コンテスト2022」を開催中。同コンテストは、健康寿命延伸に向けたビジネスの企画や事業化1年程度のビジネスプランを審査対象とし、事業化支援を行うビジネスプランを選定、優れたビジネスプランについては、ヘルスケア・アクセラレーター等による伴走支援するというもの。コンテストを経て事業化支援対象となった企業には、最大50万円の事業化支援資金の提供も行う。

 

 他にも大阪府では、府内の中小企業やベンチャー企業、スタートアップ企業を支援する目的で、ファンドによる資金援助にも注力している。「おおさか社会課題解決ファンド」を組織する大阪信用金庫およびフューチャーベンチャーキャピタルとは、府内における社会課題の解決に繋がる新たなビジネス創出、産業化を促進する目的で、ファンドの活用促進に関する協定を締結。ヘルスケア企業にも投資実績を持つ。9月7日には、住友生命保険相互会社との間で、デジタル技術を活用した府民の健康づくり「次世代スマートヘルス」に関する共同プロジェクトを展開することを発表。その中で、府民のQOL向上に繋がる健康づくり支援・予防アプリ等の次世代スマートヘルスに係わるスタートアップを支援する20億円規模のファンドを年内に設置することを発表した。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1748号(2022.9.21)で
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