連載【自然食品店・オーガニック専門店の戦略】 オーガニックの魅力を伝える工夫を

 ㈲サン・スマイル(埼玉県ふじみ野市)が展開する自然・健康食品専門店「サン・スマイル」は、“おいしいはしあわせ”をコンセプトに掲げ、オーガニック・無添加食品の販売を行っている。「先人たちが残してくれたオーガニックの本質を現代に合わせて発信していく」という代表取締役・松浦智紀氏に話を聞いた。

 

――「サン・スマイル通信」で魅力発信

 

 “おいしいはしあわせ”をコンセプトに自然栽培の生鮮食品や伝統的製法でつくる加工食品などを販売しています。店頭の取り扱い品目は1万5,000ほど。食品はもとより、オーガニックコットン、洗剤、書籍など幅広い商材を取り扱っています。客層は子供連れ客が多いです。転勤族が多い地域性もあり、若い世代の来店が途絶えません。子供に安心・安全な食品を食べさせたいというニーズやコロナ禍の健康志向もオーガニックを求める需要を後押ししました。

 

 オーガニック商品は、店頭に陳列しただけではそう簡単に売れるものではありません。商品の魅力を伝える説明が重要です。我々は小冊子「サン・スマイル通信」による情報発信を行っています。毎月一回発行しており、生産者紹介やおすすめ商品、レシピ紹介などで構成しています。冊子配布後は品切れが発生するなど、反響も大きいです。冊子は店頭や野菜宅配セットの同梱で配布していますが、こうした小回りのきく対応は大手量販店では難しいのではないでしょうか。

 

―― 今こそ原点回帰を

 

 1970年代から国内のオーガニック市場形成が本格化したといえます。当時は高度経済成長期で、「作れば売れる」「陳列すれば売れる」という時代でした。しかし景気の減速と共に、オーガニックは価格が高いと感じる消費者が目立つようになり、しだいにオーガニックから遠ざかっていく人も増えていったように思います。テレビ放映などで一時的なブームとなる食品がありますが、こうした風潮に疑問を感じます。売り手の問題が垣間見えるからです。オーガニックもイメージが先行しがちで、その本質が伝わっていないように思います。顔がみえる関係とは何か。オーガニック運動で目指してきたことは何か。農家との交流はなぜ必要なのか。原点に立ち返る返る必要があるのだと思います。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1748号(2022.9.21)で
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