ZOOM UP【スピルリナ】 「フレイル予防」「低栄養対策」新分野への提案

 植物性タンパク質や糖質、脂肪酸、ビタミンをはじめ、日常生活で不足しがちなカルシウム、リン、マグネシウム、鉄など豊富な栄養素を含有するスピルリナ。「野菜不足」「ダイエット時の栄養補給」を訴求ポイントに市場形成が進んでいる。今年の引き合い状況について、関連企業への聞き取りでは、「輸出案件が回復基調にある」「サプリメント・青汁はもとより、スムージーでの採用増が目立つ」「コロナ禍においても、健康食品や化粧品などの用途で堅調に推移している」「着色用途が好調」などの声があった。為替や人件費、培養コスト増を要因に原料値上げに踏み切る企業も。とりわけ中国産の値上げ幅が大きく、台湾産に切り替える動きも一部で見られ始めた。

 

 様々なスピルリナ配合製品が販売されている中、昨今注目を集めるのがスムージー。米国ではスーパーフードやプロテインをスムージーに添加して朝食の代替やカフェとして利用するライフスタイルが根付いている。このトレンドは近年、日本でもじわり浸透し始めた。コンビニのローソンでは、スピルリナ配合の『グリーンスムージー』シリーズをナチュラルローソンブランドで展開。2015年の発売以来、累計売上数1億6,000万個(22年7月末時点)を達成した。同社では、「2015年の発売当時は健康志向の30〜40代がメイン客層だった。発売から7年が経った現在では、スムージーの定着とともにシニアまで幅広い客層に支持されている」という。

 

 スピルリナをフレイル予防や低栄養対策に提案する動きもある。DICライフテックは高齢者対象のセミナーで、スピルリナを使用したメニュー紹介を行っている。「低栄養を防ぐためのタンパク質摂取を啓蒙している。高齢者の小食化などによる栄養不足・栄養バランス不足を解消するため、スピルリナパウダーを食事にプラスするという啓発を今後も発信していきたい」という。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1747号(2022.9.7)で
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