特集【雑穀】 ボディメイク、備蓄需要で新たな市場開拓へ

 ブームから定着期に移行したもち麦。「この10年弱で7.5倍に伸長した」「2kg入りなどの大容量パックの販売が伸長」などの声があがっている。昨今では「ボディメイク」をキーワードとした需要も。お笑い芸人のなかやまきんに君がもち麦を紹介したことを契機に、フィットネスジム利用層の需要も掴んだ。このほか、災害に備えた備蓄商材の引き合いも。量販店では防災企画コーナーの棚づくりが進み、新たな需要を呼び起こしている。もち麦以外では、「押し麦」「もちキビ」「オートミール」などの引き合いが。「押し麦」は麦ごはんでの利用が目立ち、手軽さ・安価さが需要を後押し。もちキビは長年利用するリピーターに支持されている。「オートミール」はダイエットに成功したとするSNSの投稿を機に浸透。レシピ本が多数上市されるなど、近年にわかに注目度が増している。

 

 SNS活用による認知普及活動も進んでいる。日本雑穀協会はこのほど、産地の様子を伝えるフォトコンテストを実施。「コロナ禍のため、多くの人数で産地を尋ねることが難しい状況だ。有資格者や協会会員による雑穀産地のSNS投稿を通じ、雑穀の魅力を多くの消費者に伝えたい」としている。麦ごはんについて、約4割が健康に良いイメージもつとする調査結果が示された(はくばく調べ)。麦ごはんで想起する内容は、「健康に良い」(41.8%)、「食物繊維が豊富」(37.0%)、「白米より高い栄養」(34.8%)、「手軽」(30.8%)、「お通じに良い」(27.6%)、「腸活によい」(23.8%)、「ダイエット」(22.7%)の結果に。前年比で最も伸長したのは「食物繊維が豊富」の10.6ポイント増だった。

 

 糖尿病患者を対象とした新たな知見も報告されている。大麦の摂取でⅡ型糖尿病患者の血糖値上昇を抑制したとする研究成果が発表された。科学雑誌『Diabetology Internationa』に掲載されている。「糖尿病治療薬のメトホルミンを服用している糖尿病患者および食事・運動療法のみの糖尿病患者において食後高血糖が抑制されたほか、糖尿病治療薬(アカルボース)の服用患者でも同様の傾向がみられた」としている。つづく

 

 

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