【話題追跡】 ハードカプセル不足はいつまで続く?

 6月22日のクオリカプスの自主回収発表に続き、7月にはロンザがハードゼラチンカプセルの自主回収を発表した。問題は離型剤に含まれる食品添加物の目的外使用。両社は該当空カプセルの回収に踏み切り、供給がストップした。今後の対応についてクオリカプスでは、「(健食から)撤退はしない。供給再開の目処は立たないが、復旧に向けて努力している」とコメント。一方のロンザは、「新たな離型剤でのゼラチンカプセルの製造に着手しており、早期納品に向けて取り組んでいる」という。

 

 ロンザの新離型剤でのゼラチンハードカプセルの納期について、受託メーカーへの聞き取りでは、「年内をめどにとの案内があった」とする一方、ここにきて「一部8月末から9月に掛けて納品案内が来た」「9月から順次納品の予定」などの声も出てきており、ロンザの努力が垣間見える。いずれにしても「HPMCを含めたハードカプセル全体の供給体制が落ち着くのは来春以降になる見通しだろう」とも。なお、自主回収に伴う回収費用はクオリカプス、ロンザともに「当社が全て負担する」とし、回収に伴う損害への補填については、「できる限りのサポート」とのコメントに留まる。

 

 さて、今回浮上した食品添加物。現在の使用基準について流動パラフィンは「パンを製造する過程においてパン生地を自動分割機により分割する際及びばい焼する際の離型の目的以外に使用してはならない」(既存添加物)。一方、二酸化チタンは「着色の目的以外に使用してはならない」(指定添加物)と収載される。「パンの離型剤に使われているのにサプリメント用ハードカプセルでは何故NGか」については、単に「使用基準の申請がないため」(厚労省医薬食品局食品安全部基準審査課)という。パン製造への使用が明記されたのは昭和34年12月28日付の厚生省告示第370号まで遡る。では、健康食品ハードカプセルの離型剤として新たに使用基準に追加となる可能性は?厚労省に確認すると、内閣府食品安全委員会による安全性の評価(食品健康影響評価)と、厚生労働省による規格基準案の検討など審議が必要だという。つづく

 

 

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