夏季特別号【食系店舗ルート】 「食の安心・安全」高まるナチュラル志向に対応

 全国スーパーマーケット協会などの業界3団体が発表した1月から5月までの既存店ベースの食品売上高の推移は、1月が2.4%減、2月が0.9%増、3月が0.8%増、4月が1.3%減、5月(速報値)が2.2%減に。2 月は新型コロナ感染者の急拡大によるまん延防止等重点措置の適用で、内食化需要の傾向が強まった。今年は全般的に前年の反動が大きく、GW期間の帰省や観光による人流の影響が売上高の増減率に影響を与えた。

 

 自然食品・オーガニック食品は、コロナ禍を契機に新たな消費者を獲得した。2022年上半期の傾向について、自然食品・オーガニック食品を販売するムソー㈱によると、「コロナ禍の巣ごもりの影響で新たな消費者層を掴み、商品購入も定着しつつある」という。このほか、「外食等はコロナ以前に戻りつつあるほか、一般スーパーのオーガニック商品の取り扱いも増えた」と指摘。上半期の売れ行きは、「冷凍品、牛乳、ヨーグルト等の日配品、定番以外の企画品(バレンタイン、ひな祭等)が好調だった」としている。

 

 コロナ禍は、自然食品が注目される契機となった。オーガニック食品や自然派化粧品、サプリメントなどを販売する専門店「サプリエ」では、健康志向の高まりを追い風に来店者数が増加したという。「20~30代の若い人が新たに来店するなど、客層に変化が生じた」述べ、ネット販売では巣ごもり需要が目立ち、全般的に「腸活」「子育ての悩み」に関連する商品の売れ行きが良かったという。地域密着型の自然・健康食品専門店「グリーンフーズ」によると、「オーガニックコーナーを設ける一般スーパーが増加傾向にあり、昨今では“オーガニック食品はなぜ価格が高いのか”といった問い合わせも寄せられるようになった」という。「自然栽培は手間がかかることなど、ストーリー性をもって伝えている」という。商業施設でテナント出店するアンドリーフ テラスモール松戸店では、昔からの自然食ファンをはじめ、子育て世代や独身男性なども来店する。「オーガニックに関する消費者意識は、醸成の途上といえる。昨今では政府によるSDG's推奨の動きが活発化しており、学校教育ではSDG'sをテーマとした授業も始まった。こうした取り組みの効果が表れるのは20~30年後かもしれないが、オーガニック食品を通じて日々の食生活が充実していくことを期待したい」という。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1744号 夏季特別号(2022.7.20)で
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