特集【胃腸サポート食品】 「胃の不調」、ストレス増で若年層に広がる

 胃腸のトラブルを抱える人は男女ともに多い。マーケティング調査などを手掛けるヒューマン・データ・ラボラトリが昨年9月に、男女2,000人を対象に実施した調査では、胃の不調を感じている人は45.8%で、前回調査(41.3%)から4.5ポイント増えた。女性層は5割近くに達したほか、男女ともに若年層で胃の不調を感じている傾向がうかがえた。胃の不調を感じている人の7割強がストレスを感じており、原因は「新型コロナウイルス」を挙げる回答が目立った。パナソニックが今年6月に20〜40代男女500人に行った調査では、夏場に感じる胃腸の不調は、「胃の不快感」(38%)、「お通じの悩み」(33%)、「胃もたれ」(29%)が上位を占めた。胃腸の不調を感じるシーンは、「食べ過ぎたとき」「ストレスを感じたとき」といった回答が多かった。一方、「対策がその場しのぎになっている」「対策が十分にできていない」との回答が8割以上に及んだ。こしうした調査からも胃腸がスムーズに機能しているか否かが、健康のバロメーターになっているといっても過言ではない。胃腸は毎日大量の食物を消化吸収することから、様々なトラブルが生じる。ストレスや過労が胃粘膜の急性炎症を引き起こすほか、感染性胃腸炎、過敏性腸症候群、逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの原因になることもわかっている。

 

 胃の働きをサポートする食品素材は、伝承的に利用されてきたものが多い。霊芝、カバノアナタケといったキノコ類や、ガジュツ、梅肉、フコイダン、マヌカハニー、アロエ、ヨモギなどが挙げられる。日産化学では、サプリメント「日産霊芝®」シリーズを展開。薬湯にして飲むという霊芝の伝統的な摂取方法にこだわり、最新技術により、飲みやすいタブレット、顆粒などに加工している。協和化学工業は、医薬品の制酸剤としても知られる酸化マグネシウムを供給。大手企業を中心に採用が進み、供給量は順調に推移しているという。新原料では、ヘルシーナビが金銀花つぼみ抽出物『GreenCera-F』を上市した。サプリメント剤形から一般食品、飲料まで汎用性も高く、原料供給を本格化する。ピロリ菌に着目した提案も目立つ。ピロリ菌は胃の粘膜に生息する細菌で、慢性的な炎症によって十二指腸潰瘍や、胃潰瘍、胃がんなどを引き起こすともいわれる。こうした中、予防の観点から健康食品の注目度が上昇。スノーデン、ヘルシーナビなどがエビデンスデータをもとに、独自乳酸菌の提案を進めている。最終製品では、ヤクルト本社が「食後の胃の負担をやわらげる」乳製品乳酸菌飲料の機能性表示食品を販売している。最近では、「プロビオヨーグルトLG21」シリーズを展開する明治が、LG21乳酸菌を関与成分としたヨーグルトで「一時的な胃の負担をやわらげる」との表示で受理されている。つづく

 

 

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