特集【注目の伝統食材】 こだわり製法・機能性で健康価値訴求

 日本人の伝統的な食文化である「和食」。2013年にユネスコ無形文化遺産に登録され、世界的な評価も高まっている。昨今では学校給食で和食の保護・継承活動が行われ、「だしで味わう給食の日」は、実施校が1 万3,318校(令和3年度)に。「令和4年度は全国で1万5,000校の参加を目指す」(和食文化国民会議)としている。一方、食の欧米化が急速に進んだ国内では、肉類摂取量が増加したほか、魚介摂取量や豆類摂取量は減少傾向を辿っている。運動不足なども背景に肥満者(BMI25以上)の割合は男性が33%、女性は22.3%に。ここ10年で過去最高を記録した(令和元年 国民健康・栄養調査結果)。血中コレステロール値も10年前と比較して増加傾向を示し、女性は6.4ポイント増の22.4%、男性は2.5ポイント増の12.9%となった。糖尿病有病者と糖尿病予備群は推計で約2,000万人とも報告されている。

 

 こうしたなか、1975年頃に食べれていた食事の組み合わせが健康寿命を延ばすという研究成果が報告された。東北大学大学院農学研究科の都築毅准教授らのグループによるもの。マウスを使った試験では、1960年代から現代までの日本食を健康有益性の高さで評価した。その結果、1975年頃の日本食は肥満を抑制したほか、加齢性疾患である糖尿病、脂肪肝、認知症を予防し、寿命を延伸することを確認した。「食材の種類をたくさん」「調理は“煮る”を優先」「豆・豆製品を積極的にとる」「魚は毎日食べる」「海藻・野菜・きのこをたっぷり」など、食べ方のポイントがあるという。研究グループはこの特徴を有した食事を1975年型日本食として、ヒト介入試験も実施、「ストレスの有意な軽減、運動能力の有意な増加がみられた」としている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1743号(2022.7.6)で
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