【化粧品受託 調査解説③】 22年通期の化粧品市場、6割の企業が社会情勢に懸念

 22年通期の化粧品市場についてフリーコメントで聞いた結果(有効回答84社)、インバウンド復調や人流増加に伴う消費拡大、カラーメイクの需要回復など、ポジティブな回答を寄せた企業は3割。一方、日常生活に必要な製品が軒並み値上げされる中、消費マインドの低下を懸念する声も聞かれ、6割はネガティブな回答を寄せた。

 

 ポジティブなコメントを見ると、「市場は緩やかに回復する」「市場のV字回復に期待」「コロナに伴う自粛の緩和で人流の増加および消費回復に期待できる」「マスク着用の緩和に伴い、色物の需要回復に期待される」といったコメントをはじめ、政府による観光客の一部受け入れの動きを受け、「インバウンド需要の回復に期待」「メイド・イン・ジャパンの活性化に期待」といったコメントも見られた。さらに、長引くコロナ禍で消費者の生活スタイルの変化を受け、「新たな化粧文化にマッチしたニーズが生まれる」などのコメントも。他にも「フェムケア、セクシャルヘルス分野に期待」「メンズコスメの需要拡大に期待」など、新たな分野での需要拡大に期待するコメントも見られた。

 

 一方、ネガティブなコメントの多くは、コロナ禍、ウクライナ情勢、円安を背景とする原料・資材価格、光熱費などの高騰を受け、自社の利益圧迫を懸念する内容だった。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1742号(2022.6.15)で
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