特集【22年上総括 化粧品受託製造】 58%が増収、2割は2ケタ増も・・・

 今回、本紙編集部が化粧品受託製造企業200社(有効回答112社)を対象に実施した取材・アンケートの結果、今年上期(1~6月)の業績が前年同期を上回った企業は58.3%で、昨年調査より10.3ポイント増加した。その内2ケタ増収を達成した企業も同5.9ポイント増の23.9%となった。増収企業からは、「新規顧客の獲得に成功」「通販企業の売上が好調」「取引先の売上高が伸長」などの声が聞かれた。コロナの影響について、今年上期に「悪影響があった」との回答は60.4%で、昨年調査より5.6ポイント減少。「特に影響はなかった」との回答は36.9%で同10.9ポイント増加した。社内でのコロナ対策では、取引先への訪問を緩和する企業が増加。「コロナの鎮静化で人流の増加が見られ、消費拡大に繋がり始めた」「マスク着用緩和に伴い、カラーメイクの需要が徐々に回復」などの明るいコメントも聞かれた。また、業界の景気動向を示す設備投資については、今年上期の実施企業は47.2%。昨年調査より8.2ポイント増加した。新工場を建設した企業も7社見られた。さらに、海外輸出向け製品や海外企業からの受注について、「実績あり」との回答は80.6%。2年ぶりに増加し、世界的にもコロナの影響が薄れ始めていることがうかがえた。

 

 コロナ禍で消費者の生活様式の変化に伴い、ここ1〜2年で人気アイテムにも変化が見られる。特に在宅勤務の定着を受け、入浴機会の増加から、ヘアケア製品や入浴剤などインバス製品の人気が上昇。今年上期の人気受注アイテムは、シャンプー・トリートメントを含むヘアケア製品が昨年調査の4位から2位に。入浴剤も7位に順位を上げた。アウトバス製品に分類されるヘアミストやヘアオイル、さらに育毛剤などのニーズも高まっていることがわかった。また、マスク常用に伴う口臭対策として、ハミガキ剤や洗口液が昨年来人気を維持。在宅勤務・オンラインミーティングの増加を背景に、男女問わず化粧下地のニーズも高まっている。その他、SDGsの消費者認知度が高まる中、容器レスや製造時の水使用量削減などから固形石鹸、バーム剤形も人気という。固形シャンプーなど、新たなアイテムも生まれている。ミニマリストからは1本で全身を洗える製品も人気という。人気受注素材では、幹細胞がトップ。ナイアシンアミド、ヘパリン類似物質、バクチオールなどの医薬部外品に用いられる素材も人気を集めた。健食業界で話題のCBDやNMNなども上位にランクインした。つづく

 

 

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