特集【22年上期総括 健食受託加工・製造】 「経営良好」、5㌽増の 35 %に回復

 本紙編集部は、健康食品の受託加工・製造企業約250社(有効回答132社)を対象とした調査を実施した。調査では、売上高や増減率、経営状況、市場の景況感、設備投資の現状、人気受注素材、輸出製品の受注実績や機能性表示食品制度への対応状況、新型コロナウイルスの影響、今後の見通しなどについて聞いた。調査対象の企業の売上高は10億円未満が50%、10~50億円未満が28%、50~100億円未満が10%、100億円以上が11%。

 

 今年上期の売上が前年同期を上回ったのは44%で、昨年調査と一緒だった。売上が下回ったのは34%で、昨年調査から6ポイント減少した。今年上期(2022年1月~6月)の経営状況は、前年調査から5ポイント増え35%が「良かった」と回答した一方、「悪かった」との回答は13%で、前年調査から9ポイント減少した。「どちらともいえない」との回答は4ポイント増え52%だった。「良かった」と回答した企業からは、新規顧客の獲得や、既存顧客の安定した受注確保のほか、「コロナ禍で落ちていた分が回復した」「新工場の本格稼働に伴うド受注が増えた」「取引先の機能性表示食品の販売が好調だった」「国内需要の復調、海外需要の増加」など、明るいコメントが聞かれた。

 

 「どちらともいえない」と回答した企業からは、コロナ前まで売上は回復していないものの、「昨年対比を上回った」「1~6月は計画比で達成見込み」「国内景気が少しずつ回復傾向にあり、受託案件も回復しつつある」といった回答も複数あり、回復に向けた足取りに手応えを実感する様子がうかがえた。ただ、長引くコロナ禍に加え、不安定な世界情勢から様々なもの価格が高騰し、物流遅延が相次ぐなど、健食業界にも大きな影響をもたらしている。各社では、仕入れ先の見直しや、値上げ実施のほか、代替品の対応、発注ロットの見直し・集約、製造の効率化などの自助努力で対応策を模索している。

 

 こうした中、今年下期の経営見通しは、「良くなる」が32%で前年調査より10ポイント減少。「どちらともいえない」も10ポイント増え62%になった。「受注実績はやや回復しているが、原材料や資材の価格高騰が利益率を下げる」「下期の予測が非常に立てづらい」「増収減益となる可能性がある」「製造経費の上昇が確実で、それをカバーする受注増や生産効率の改善が追いつくか不安」など、先行きに不安を抱える回答が多くを占めた。今年下期の売上高予想は、昨年調査と同じ54%が前年同期比プラスを見込む。設備投資の予定は50%で、前年調査より7ポイント減少しており、慎重な姿勢がうかがえた。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1742号(2022.6.15)で
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