特集【血流改善サポート~夏の冷え対策~】 コロナ禍の免疫、ストレス対策ニーズ追い風

 全身に張り巡らされた血管を繋ぐと約10万km、血管を構成する内皮細胞の面積は約7000㎡になると言われ、「血管は人体最大の臓器」とも称されている。その血管を通る血液は、全身を隈なく巡り、酸素や栄養素、ホルモンなどを運ぶと同時に、二酸化炭素や老廃物、有害物質を回収する、また体内に侵入してきたウイルスやカビなどの異物を排除する免疫を司るなど、血管や血流は、生命活動において重要な役割を果たしている。血管を健康に保ち、血液をスムーズに流すことは、未病予防にも繋がり、健康寿命延伸においても欠かせない。

 

 一方、加齢をはじめ栄養バランスの偏った食事、運動不足、不規則な睡眠時間、喫煙、過度なストレス―― など、生活習慣の乱れによって血管の健康状態が低下し、血流が停滞することで、高血圧や動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病から、肩コリ・腰痛、冷え症状まで、様々な疾病の要因となることが明らかとなっている。最近では、血液が届かないことによって毛細血管が消えてしまう「ゴースト血管」に伴う様々な不定愁訴も話題となっている。血管の健康を維持して血流を促進させるには、抗酸化・抗糖化作用のある食品・サプリメントの摂取など体の内側からのアプローチをはじめ、マッサージや温熱による体の外側からのアプローチが主流だが、関連商材の開発も活発な動きを見せている。

 

 健康食品・サプリメント分野では、ショウガ、高麗人参、ヘスペリジン、ヒハツ、ナットウキナーゼ、ツバキ種子エキス、植物発酵エキス、ニンニク、カシス、オリゴノール、ケルセチン、L-シトルリン、ビタミンE、カンカ、イチョウ葉、タキシフォリン、松樹皮抽出物―― など様々な素材が流通している。近年は、冷えやコリの改善、自律神経バランスの調節、ゴースト血管対策、血栓や動脈硬化の予防、血圧降下、疲労回復、褥瘡(床ずれ)対策、アイケア(眼血流)、関節血流、育毛、男性機能向上、美容・エイジングケア―― など、血流改善作用を介した様々な症例に着目した機能性研究を通じて、よりピンポイントな市場に原料・商材を提案する動きも見られる。

 

 一方、指圧効果や温熱効果を介して、体の外側から血流改善にアプローチするNon-Foods分野では、マッサージ器や温熱治療器、磁気治療器などの家庭用医療機器、入浴剤などが代表格だ。特に近年は、健康・美容を目的に日常的に体を温めるライフスタイル“温活”が定着。また、冷えに無防備になりやすい夏の冷え対策の重要性に対する認知度も向上、温熱商材が通年で売れるようになっている。さらに、この2年間はコロナ禍での免疫力アップやコロナ鬱、快眠、ストレス解消ニーズも追い風となり、関連商材の市場は成長している。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1740号(2022.5.16)で
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