ヘルスケア業界の新スタンダード、ジェンダード・イノベーション

ジェンダード・イノベーションとは

ジェンダード・イノベーションとは、科学・技術・政策など幅広い分野において性差分析を取り込むことで、新しい視点を見出しイノベーションを創出することを指します。命や健康に直結しやすい医療・ヘルスケアの分野においては特に必要とされる考え方で、性差分析を取り込むことにより、これまでは明らかにされてこなかった、あるいは着目されてこなかった女性特有/男性特有(※)の健康問題・健康悩み・健康ニーズをより正確に捉えた製品・サービス開発につなげられることが期待されています。2022年には政府が「女性活躍・男女共同参画の重点方針(女性版骨太の方針 2022)」の中でジェンダード・イノベーションに言及したことでも、ヘルスケア業界で性差分析の関心が高まるきっかけとなりました。※ここでは生物学的性差を指して「女性」「男性」と記載しています。

 

ヘルスケア領域内外でジェンダード・イノベーションが求められている様々な事例 ※画像はイメージ

シートベルト

腹部を圧迫しない形状設計により、事故時の妊婦・胎児の生存率向上。

医薬品・サプリ

臨床試験の男女比のバラツキや身体構造の違いから、女性に深刻な副作用がある事も。

ランニングシューズ

大多数で男性の足型を基にされている。男女の足型の差に着目し女性向けに開発。

3D人体解剖図

一般的な人体模型・解剖図は男性の身体。2022年、3Dの"完全版"女性解剖図がリリース。

VR(ヴァーチャルリアリティ)

女性は男性の2倍以上、不快感を感じやすいとの研究結果。女性が酔いづらいVRシステムの開発。

トレーニングメソッド

骨盤の形状の男女差から、女性は膝に高負荷が。女性アスリートは膝のケガが4.5倍も多いとの研究も。

診断アプリ

性差を考慮した診断ができ、女性に多い不定愁訴の的確な治療をサポート。

AIアシスタント

ナビ等の"性別"は女性の割合が多い。性別を選択可能にしたり、初期設定を男性にする事例。

ヘルスケア業界 における ジェンダード・イノベーション とは

ヘルスケア業界においては、業界全体でジェンダード・イノベーション=性差分析が進み始めたことで、「フェムテック」と「メンテック」というカテゴリーが生まれ、これまで着目されてこなかった健康領域の製品・サービスが登場したと捉えることができます。なおヘルスケア業界で性差分析を取り込むことで、以下3タイプの製品・サービスの研究・開発が進むと期待できます。

【1】女性のみ、または男性のみに起こる健康問題を解決・予防する製品・サービス
【2】男女ともに起こるが、女性または男性に多く見られる健康問題を解決・予防する商品・サービス
【3】男女に同等に起こる健康問題を、女性特有あるいは男性特有の症状・原因・心理・環境などに配慮して解決・予防する製品・サービス

本EXPOが見逃せない、4つの理由

1.海外市場
海外のフェムテック市場は、性差分析視点の女性ヘルスケア市場に変化

国内のヘルスケア業界では今、生理・妊娠・出産・セクシャル領域など(婦人科系/生殖系ビジネス)のフェムテックに商機を見出す動きが活発化しています。
一方で海外では、婦人科系/生殖系ビジネスの興隆は落ち着き始め、それ以外の女性の健康問題に着目したソリューションの開発が増えています。
例えば、骨粗鬆症、摂食障害、うつ病、生活習慣病関連など、男女共通の疾患における病態・予後・発症時期・発症率の男女差に着目した
ソリューションが該当します。必ずしも女性だけが持つ臓器や病気に対してではないヘルスケアや医療領域における性差にも関心が高まっています。

本展では、あらゆる視点ですべての女性の健康とQOLを向上させることを目的とした、多種多様な女性ヘルスケア製品・サービスにフォーカスすることを目的にしています。

2.政府方針
政府の基本方針・閣議決定にてジェンダード・イノベーションに言及

 2020年 12月
第5次男女共同参画基本計画にて閣議決定
「これまでの男性の視点で行われてきた研究・開発プロセスを見直し、男女の心身の違いやニーズを踏まえ、性差を考慮した研究・技術開発を求める。
研究遂行過程において女性を積極的に評価し、女性の視点を取り入れた研究プロジェクトを推進する」

 2021年 3月
第6期科学技術・イノベーション基本計画にて閣議決定
「研究のダイバーシティの確保やジェンダード・イノベーション創出に向け、指導的立場も含め女性研究者の更なる活躍を進めるとともに、
自然科学系の博士後期課程への女性の進学率が低い状況を打破することで、わが国の潜在的な知の担い手を増やしていく」

 2022年 5月
女性活躍・男女共同参画の重点方針(女性版骨太の方針 2022)にて言及
「科学技術・学術分野において男女共同参画を進め、研究・技術開発に多様な視点を取り入れていくことは、
ジェンダード・イノベーションの創出にもつながり、重要である」

※関連参考情報:数多くのメディア等が発信しているジェンダード・イノベーション/性差視点の一例
 日経ビジネス 「性差」の研究がもたらすイノベーションとは
 日本経済新聞  性差分析、米欧で広がる 研究開発の革新高める効果
 日経ビジネス イノベーション実現には開発時に性差を考慮せよ

 日経XTECH  実は男女で異なる病気の症状や訴え方、AIで性差を考慮した診断・治療を支援
 日本経済新聞  狭心症の痛む場所、男女で違う 性差を知って健康管理

 時事メディカル  増える女性アスリートの膝前十字靱帯損傷 リスクの男女差知り、予防を意識したトレーニングを
 日本学術会議  「ジェンダード・イノベーション 一人ひとりが主役の研究開発が新しい未来を拓く」


3.消費市場
国内女性の8割が「性差に着目したソリューションが必要」

女性生活者の「性差医療・性差ヘルスケア」に対する認知や需要は、どれ程あるのか?
20代〜90代の女性2,000人に調査を実施したところ、言葉自体の認知度は1割未満と低いものの、性差に着目した医療の必要性を感じている女性は約8割でした。
性差を考慮したヘルスケアソリューションや治療は、確実に需要が高まっていくと言えます。

「かわいい」「おしゃれ」「自分らしく」「女性のエンパワメント」といったフェムテックブーム牽引の大きな要因となった
感情的・社会的思考に加えて、性差視点から製品・サービスをPRすることによって、女性ヘルスケア業界における
確固たるポジション・需要をいち早く獲得できます。

調査結果はこちらから
調査実施:ネオマーケティング、企画:ウーマンズ (2022年1月)

 

4.ヘルスケア業界
業界が今、注目している女性ヘルスケアに特化した
国内最大のBtoB展示会

上記の国内外の動向を受け、業界全体の関心がかつてないほどに高まっている「女性ヘルスケア」に特化した国内最大級のBtoB専門展示会だからこそ、
ヘルスケアビジネスの拡大に直結する出展社/製品・サービス/最新業界情報との出会いがあります。年に1度の機会をお見逃しなく!

 

フェムテックゾーンを大盛況に収めた強力タッグが、次回も実現!

健康業界BtoBのプロ    女性ヘルスケア業界のプロ
 健康博覧会  ×  ウーマンズ


40年間健康業界をけん引してきた「健康博覧会」と、
女性ヘルスケア市場を継続的に分析、発信している「ウーマンズ」との特別コラボレーション企画。

他のあらゆるフェムテック系イベントとは一線を引く、出展製品・サービスの多様性と、会期中開催予定のビジネスカンファレンスの内容の充実度は
健康業界のプロ 健康博覧会と、女性ヘルスケア市場のプロ ウーマンズのコラボならでは。

フェムテックの過熱したトレンドでは見過ごされがちな、ビジネス的な視点 (事業性とマネタイズ) と 男女の性差*の視点 から
女性ヘルスケア市場を更なる認知向上・市場拡大に導くため、両社が再度タッグを組みます。

*「性差」には男性、女性、多様な性(心と体が一致しない性等)を含みます。