特集【グルコサミン】 国内流通量、1,350t超に

 原料サプライヤー各社への取材から、グルコサミンの国内流通量は1,350tを超えたと推測される。各社からは、「長引くコロナ禍で、ロコモ・フレイル対策を商品コンセプトとした開発の案件が進んだ」「サステナブル原料として発酵品の問合せが増えている」「機能性表示食品の受理件数の増加が、供給量全体の底上げに貢献した」「ペット向けの依頼が増えた」など、明るいコメントが多かった。主な原料サプライヤーは、甲陽ケミカル、プロテインケミカル、中原、焼津水産化学工業、扶桑化学工業、ビーエイチエヌ、上海フリーマンジャパン、バイオメディカルウェルネスなど。

 

 グルコサミン塩酸塩の原料価格はキロ当たり中国産で1,500円半ばから2,000円前後、国内精製を加えると2,000円から2,500円前後、国産品は3,500円から4,000円前後で推移する。ハラール対応原料や、中国フリーを訴求にインド産原料もある。産地、原料の種類、原料価格、機能性表示食品対応などで差別化。また引き続き、「GMP認証(原料又は自社工場)」「FSSC22000認証」「HACCP認証」「トレーサビリティの確立」など、品質向上・管理体制の整備に一層力を注ぐ。このほか、カニ・エビ殻を原材料とするグルコサミンは、将来の安定した原材料確保の懸念などから、昆虫由来原料などの活用を視野に入れた研究も進む。

 

 穀物などを原材料に発酵生産した微生物キチンから製造する発酵グルコサミンは、プロテインケミカル、中原、バイオメディカルウェルネスなどが“アレルギーフリー”を訴求ポイントに展開。最近は、「サステナブル」「SDGs」の観点からも関心が高まっている。ヒアルロン酸生成促進作用を有するN-アセチルグルコサミンは、焼津水産化学工業、プロテインケミカルなどが供給。市場を牽引する焼津水産化学工業は、「関節」カテゴリーにおける100人規模のヒト試験のエビデンスデータを蓄積。機能性表示食品の受理件数が増えており、生産能力の増強を図る計画だ。プロテインケミカルも新規案件が増えているという。

 

 グルコサミン、N-アセチルグルコサミンを活用した機能性表示食品は「関節」「肌」カテゴリーで100品(撤回除く)を超えた。「関節」カテゴリーの表示内容は、「関節軟骨の正常な代謝を促すのに役立つ」「ひざ関節の違和感を緩和する」「膝関節の可動性(曲げ伸ばし)をサポートし、膝の不快感をやわらげる」「歩行や階段の上り下りにおけるひざ関節の悩みを改善する」―― など。「肌」カテゴリーでは、「肌が乾燥しがちな方の肌のうるおいに役立つ」「肌の水分量を維持し、乾燥をやわらげる機能がある」といった機能性表示食品が受理されている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1738号(2022.4.20)で
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