特集【プラセンタ】 市場規模250億に回復、ブーム再燃の兆し

 ヒアルロン酸、コラーゲン等と並び、美容3大素材に数えられるプラセンタエキス。もはや説明不要の定番素材であり、大手、中堅問わず多くの美容サプリに採用されている。抜群の体感性を誇る一方で、配合コストの高さがネックとなり、ここ数年が化粧水やクリーム等へ少量、配合されるケースが目立っていた。ただ本紙が3 月に実施した聞き取り調査では、プラセンタサプリの人気再燃が垣間見えた。調査対象はプラセンタサプリの販売メーカー35社。売上について回答が得られた24社のうち増収は10社、横ばいは12社、減収は2社だった。増収を達成した企業の多くは、ネット通販を中心に展開していたが、産婦人科や美容クリニック等で売上を伸ばすケースも。年間売上高10億円以上の大手ブランドも増収を達成していた。一方、DgSや百貨店などは、コロナによるインバウンド縮小、在宅ニーズの高まり等を理由に、苦戦を強いられた。

 

 今回の調査をもとに本紙が推計した2021年度のプラセンタサプリの市場規模は、前年比8.6%増の約250億円。コロナ禍で、店頭チャネルでは棚落ちが見られた時期もあったが、現在は2015年ピーク時の水準まで回復した。要因は、美容ニーズの高まりに加えて、更年期症状の緩和、疲労感の軽減を目的に購入するユーザーが増加したこと。「フェムテック」を訴求した新商品も目立ち、多方面からのアプローチが市場の底上げに繋がったものと見られる。

 

 プラセンタサプリの剤形は、カプセル、ドリンク、ゼリー、パウダー、グミなど。定番はカプセルだが、ドリンクやゼリーも徐々にシェアを伸ばす。販売メーカーからは、「ゼリーは競合が多く、かなり苦戦した。店頭での売れ筋はドリンク」「大々的な広告宣伝は行っていないが、カプセル品がライブコマースで好調だった」との声も。価格帯は様々だが、1ヵ月当たり2,000〜3,000円が相場。プラセンタを500㎎以上配合し、1 日当たり4万円を超えるようなゼリーも見られた。新商品としては、ビタミンCやコラーゲン、NMN等と組み合わせたサプリが見られ、“手軽さ”“フェムテック”“疲労回復”などを訴求するものが増えた。エステティックサロン大手のTBCは4月5日、森永乳業とのコラボ商品『TBC プラセンタ オレンジミックス』を発売。「顧客のライフスタイルに合わせて、手軽に、美味しく美容成分を補給して貰えれば」としている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1738号(2022.4.20)で
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