特集【妊活サポート】 妊活保険適用で、サプリ追い風

 近年では、妊活は医療機関への通院のみならず、栄養管理や運動、サプリメントの利用等幅広い方法が取り入れられている。妊娠しやすい健康な体作りに向けて活用されるサプリでは、葉酸、鉄など定番素材に加えて大豆イソフラボン、マカ、オリーブ葉抽出物、サポニンなど、多様な素材の利用が進む。さらに、エビデンスを構築した製品は医療機関向けサプリとして採用が進み、医薬品と併せて利用される例も増えている。4月より人工授精等「高度不妊治療」が保険適用となるが、クリニックへ通う人の費用負担が軽減され、妊活全体への関心が一層高まることから、サプリ利用者の増加や妊活市場の活性化が期待される。

 

 厚労省の人口動態統計によると、第一子出産時の平均年齢は上昇し2021年の調査では、30.7歳と1980年の26.4歳から4 歳以上増加している。また、約5.5組に1組のカップルが不妊治療を経て出産している。背景には晩婚化等の影響があると分析されているが、医療とともにサプリメントによるサポートが有効だ。妊活は医療機関に通うことのみならず、栄養管理やサプリの利用を含め、「妊娠を望む誰もが行うもの」と捉えられる傾向が強くなっている。

 

 妊活サポートサプリの販売ルートを見ると、EC、ドラッグストアルートでは、妊娠前後に不足しやすい葉酸、鉄、カルシウム等を配合した製品等が流通する。日本人の「食事摂取基準」(2020年)でビタミンDの摂取目安量が改訂されて以来、妊活時の摂取にも注目が集まることから、ビタミンDの配合を重視するサプリも多い。妊娠前から産後までの期間ごとに異なる配合をする製品も増えており、『葉酸サプリメントシリーズ』(ピジョン)の例では、妊活期、妊娠期、授乳期の3段階で配合。妊娠前から摂取し、継続して貰うため、情報発信やコミュニケーションを大切にしているという。ほかにも『プレグム』(ディーエイチシー)、『Mama Lula葉酸&鉄プラス』(ファンケル)、『ベルタ葉酸マカプラス』(ベルタ)等が流通する。

 

 一部で新型コロナウイルス影響後に妊活を休止する動きも見られたが、ロート製薬によると80.2%が妊活を継続または再開しており(妊活白書2021)、影響は限定的だ。若年層の妊活への関心はむしろ高まっており、コロナ禍以降も「おうち時間が増え、家族計画を落ち着いて考えるきっかけになったのではないか」「クリニック通院とサプリメントを両方利用される方が大多数」「好調に推移している」という声が複数の企業から聞かれた。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1736号(2022.3.16)で
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