【話題追跡】 フェムテック市場上昇機運、サプリ・コスメ開発加速

 フェムテックは現在、サプリやコスメ開発への急展開が進んでいる。「生理ケア」「妊活」「更年期ケア」「デリケートゾーンケア」等、女性の健康課題に向けて活用されている健食素材は、大豆イソフラボン、米胚芽、マカなど多岐にわたる。特に「エクオール配合サプリ」は、大塚製薬、ディーエイチシー、アサヒグループ食品、小林製薬など大手メーカーをはじめ多数の企業が参入するホットな分野となっている。大塚製薬の『エクエル』は更年期向けサプリだが、「飲むフェムテック」というキーワードでプロモーションを展開したことを機に、利用者をさらに増やした。

 

 フェムテックをキーワードとすることで、タブー視されがちだった分野のプロモーションに成功し、利用者が手に取りやすい商品開発に繋がる事例も増えている。「おりもの異常」は相談しにくい健康課題の一つだが、帝人は「膣内フローラの改善」がヒト試験で認められた乳酸菌原料『UREX®』について、フェムテックをキーワードに展開し、大手サプリメーカーをはじめ多くの企業での採用が続いている。調剤薬局を展開する雄飛堂は、同原料を使用した製品で「膣内フローラ改善」の機能性表示届出を実現し、自社ECサイトで利用者を増やしている。

 

 新規参入する企業も増え続けており、フェムテック市場全体では2021年に前年比8.2%増の635億8,400万円の市場規模が推測され、成長を続けている(矢野経済研究所調べ)。国内外のフェムテック業界情報を発信するウーマンズの阿部エリナ氏は、「フェムテックは最新テクノロジーに限ったものではなく、既存の製品をフェムテックという新たな切り口で見直すことで、新たな価値を発信する例も増えている」と話す。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1733号(2022.2.2)で
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