新型コロナ対策、ビタミンC・Dサプリ推奨の国も

 イギリスなどに拠点をもつ業界紙HBWがまとめたレポートによると、イギリスの国民健康局(NHS)は外出が制限される中、日光から十分なビタミンDを摂取できない可能性があるとし、骨と筋肉を健康に保つために1日当たり10μgのビタミンDを摂取することを推奨。同時に1日に100μg、または推奨量よりも多く摂取しないように注意を促した。チェコ共和国の国立公衆衛生研究所(SZU)は国民に対しパンデミックの期間にサプリメントの使用を推奨。ビタミンCをはじめとする微量栄養素やオメガ3系脂肪酸の摂取が「安全で効果的、かつ低コストに免疫機能をサポートする」とし、特に必要性がある人には安全上限を超えない限り、1日の推奨量を超えるサプリメントを摂取することもアドバイスしている。

 一方で、フランスの食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、ビタミンDのサプリメントを摂取する人は過剰摂取のリスクがあると注意を促した。また、特定の植物由来のサプリメントを摂取すると、ウイルスに対する免疫系の反応が妨げられる可能性があると指摘した。ドイツの連邦消費者保護食品安全局(BVL)は、現状では新型コロナウイルスに対するサプリメントの有効性を証明する科学的根拠がないことを指摘。イタリアの高等研究所(ISS)は、サプリメントが新型コロナ感染を予防できるという主張に注意するよう消費者に求めた。

 HBWのアナリストは「新型コロナウイルスのパンデミックによってサプリメントの需要はヨーロッパ全体で急増し、ますます多くの消費者がサプリメントに目を向けているが、ヨーロッパ各国の大部分の政府は使用を促進することに消極的だ。消費者がサプリによって新型コロナウイルスに対する免疫を獲得できると誤信することを危惧しているのではないか」としている。つづく

 

詳しくは健康産業新聞1693号(2020.6.3)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら