特集【アンチドーピング】 広がるドーピング対策

 東京オリンピックを目前に控え、国内ではスポーツニュートリション分野への関心が高まっている。スポーツサプリの開発について回るのがアンチドーピング(AD)。国内のAD認証を巡っては、18年末にJADAが認証業務の終了を発表。現在、インフォームド・チョイス(IC)、NSF、BSCGなど海外認証のみが存在し、新ガイドラインに沿った形で運用されている。なかでも英国の分析機関LGC社の分析プログラムICは、150製品以上が認証されており、国内最大のAD認証となっている。

 一方で、、国内でアスリートに提供されていた大手企業のスポーツサプリから禁止成分が検出されたケースも。ドームでは昨年9 月、プロ野球チームに提供していた鉄分サプリから、DHEAなど3種類の禁止薬物成分が検出されたと発表。同社は、「製品の発売後、AD認証を取得するため、海外ラボで検査を進める過程で禁止成分が検出された」としており、AD検査自体に問題があったわけではないが、複数の選手が該当製品を摂取した可能性もある。同社は、迅速に調査を進めるとしていたが、混入経緯や原因に関する追加説明は未だ行われていない。

 国内のプロスポーツ団体の中には、選手のサプリメント使用について消極的な姿勢を示す団体も多く、現役アスリートからは「万一を考えてサプリは摂取したくない」という声も。JADA公認のAD情報提供者であるスポーツファーマシストによると「1商品が認証されることで、ブランド全体がADに対応していると誤認するアスリートも多い」としている。こうした中、スポーツサプリメントの開発において禁止成分分析の重要性がより一層、高まっていることがうかがえる。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞第1688号(2020.3.18)で
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