「アマニ油」市場、100億円にリーチ

 アマニ油、エゴマ・シソ油、米油を中心とした「新油」市場の拡大が顕著だ。2018年の市場規模は250億円に到達、2014年(90億円)から3倍弱に急拡大している(日清オイリオグループ調査)。“食べる油”“サプリ的オイル”として、サプリメントから一般食品まで、さまざまな分野で商品化されている。なかでも伸長著しいのはアマニ油とエゴマ油だ。

 アマニ油のマーケットサイズは、前年比65%増の98億円に拡大。フロントランナーである日本製粉をはじめ、日清オイリオグループ、キユーピー、J-オイルミルズなど、大手各社がアマニ配合商品を積極展開、機能性表示食品も登場している。TVの健康番組で再三にわたり放映されたことも追い風となったようだ。

 最近でも、「この差ってなんですか?」(TBS)で「高血圧や動脈硬化を予防する健康のワンスプーン・アマニ油」として放映されたほか、8月17日の「満点☆青空レストラン」(日テレ)では北海道・当別町のアマニの栽培・搾油風景を放映、番組内では、本紙の「注目の植物油特集」も紹介された。日本経済新聞では、「何にでもOK アマニ油若者つかみ異例の復活」として、一過性のブームでスーパーの棚から消えるジャンルが多い中、(一度市場がシュリンクしたものの)アマニ油が若年層を取り込み、ここ1~2 年で盛り返したことを報じている。

 エゴマ油は、69億円市場(前年比27%増)を形成。昨年11月のNHK「ガッテン」で“スプーン1 杯でカラダが激変!食べるアブラの新常識”の中で取り上げられたことを機に、再ブレイク。今年4月にも、TBS「名医のTHE太鼓判!」で放映されるなど、新規顧客の開拓が急ピッチで進んでいる。創健社では、「19年3月期決算では、エゴマ油の伸長によって増収増益を果たした」とするほど。

 新油市場のさらなる拡大に欠かせないのは機能性表示食品だ。アマニ油では、日本製粉、日清オイリオグループ、キユーピーが受理されており、「血圧対応」「悪玉コレステロール値の低下」に関する機能性表示が可能となっている。大手百貨店のバイヤーによると、「サプリメント分野よりも、油分野における機能性表示食品への期待は大きい。普段使いの商品に付加価値を与えられるのは大きなアドバンテージになる」と分析している。つづく

 

詳しくは健康産業新聞第1677号(2019.10.2)で
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