特集【大阪府~健康・美容産業~】 健康・医療・ライフサイエンス、成長戦略の核に

 成功裏に幕を閉じた昨年の大阪・関西万博。経済波及効果は3.5兆円を超え、運営収支も黒字で着地した。大阪府では今年3月、万博後の持続的な成長・発展と、府民の暮らしの向上に向け、大阪が進むべき道を示す成長戦略「Beyond EXPO 2025」を策定。医療・健康・ライフサイエンス分野での日本におけるリーディング化を目指す取り組みを、引き続き推進していく方針を示した。もともと大阪府と医療・健康産業の関係は深い。江戸時代には大阪市内の道修町界隈に多くの薬種問屋が集結し、幕府公認で輸入薬の販売や和薬の検査を行ってきた歴史を持つ。その名残から、現在でも当地には大手製薬メーカーの本社が軒を連ねる。また薬種問屋の一部は、時代の流れと共に、健康食品や化粧品、化成品等の原料サプライヤーに業種を変える動きも見られ、現在、道修町界隈には健康食品・化粧品の原料サプライヤーが多く所在する。岩瀬コスファ、日本粉末薬品、ダイセル、帝人、カネカ、日本生物.科学研究所などが代表格。受託加工・製造企業では、田村薬品工業、摂津樹脂工業、中野農園、日成興産、小西製薬、井藤漢方製薬など、多くの企業が所在している。健康食品メーカーでは、三基商事、森下仁丹、大和酵素、サラヤ、小林製薬、大村屋、ファイン――などが本社を構える。

 

 また、化粧品産業も隆盛で、日本化粧品工業会連合会の統計によると2024年3月31日現在、大阪府下の化粧品製造業は714、製造販売業は760で、全国2位となっている。販売メーカーでは、マンダム、サンスター、ロート製薬、I-neなどが有名。さらにTOAを筆頭に、ミリオナ化粧品、東洋ビューティ、ピカソ美化学研究所、エンチームなど、受託業界の大手・有力企業も多い。この他、日本トリム、トラストレックス、アクアバンクをはじめ、あっと、山本化学工業など、家庭用医療機器や健康機器分野の大手・有力メーカーが多い点も、“ものづくり”に長けた大阪ならでは。総合医科学研究所やワンネスサポート、たしかにプラスなど、健康食品・化粧品の試験・評価・検査を請け負う企業、機能性表示食品の届出支援を行う企業なども少なくない。今回の取材では、過去最高益を達成した企業、海外展開が目覚ましい企業など、主要企業の多くが、好調な業績を維持したところが目立った。

 

 大阪府市では今年3月、万博後の持続的な成長・発展と、府民の暮らしの向上に向け、大阪が進むべき道を示す成長戦略「Beyond EXPO2025」を策定。目指す都市像として「世界に伍する経済力・都市力を有し、唯一無二の魅力がある都市」と明記。大阪の実質成長率年平均2%以上を実現し、2040年代には現在のGDPの約2倍となる名目GDP80兆円を目指すとしている。なかでも重点分野には、「経済力」と「都市力」、副首都を支える基盤として「人材力」「まちづくり・都市基盤」「副首都にふさわしい機能づくり」を挙げている。経済力では、「中之島クロス(再生医療等)、健都(健康・医療)、彩都(創薬)を核としたライフサイエンスクラスターを形成し、各拠点の強みを活かしたスタートアップの育成支援等 」や、「Japan Healthを継承したWHX Osaka(国際見本市)やWHX Leaders Osaka(国際会議)、GSEを 継承したディープテック分野のスタートアップカンファレンスを開催」を主な取り組みに追加。医療・健康・ライフサイエンス分野での日本におけるリーディング化に関する取り組みを引き続き推進していく方針を示している。つづく

 

 

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